予測の範囲内からは、 逸脱しては居ないのだけれど。
不安定さや、 脆弱性や、 危うさや。
底に棲んで居る要素に、 改めて、 恐怖を覚えるのだ。
其れ故に。
自身の手元から、 離れ、 漂う因を。
決して、 与えたくは無い。
自身の、 忌まわしい記憶を、 消去する事は。
確かに、 防衛本能の一環だけれど。
嘗て、 俺の目の前で、 口にした筈の言葉が。
虚言で在ったと。
自ら、 証明して居る事に。
気付かないのだろうか。
酩酊下で、 雄に、 挑み掛かった事も。
覚醒して、 初めて、 隣の雄に気付いた事も。
俺の時が、 初めてなのだと。
項垂れて居た姫は。
「酔って覚えてないなんて。」 「しょっちゅうじゃんね!」
画面から届く、 同様の、 状況下に。
然も在りなんとばかりに、 頷き、 瞳を輝かせる。
---------- References Mar.09 2004, 「記念日がそんなに悲しい日でしょうか」 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」 |