古畑亜紀の日記
日々の雑記帳です。思い付いた時に
気分にまかせて書きます。

2009年05月20日(水) 真夜中に

私は、マーラーの『リュッケルトの四つの詩題による歌曲』が好き。

中でも『美しさの為に愛するのなら』『真夜中に』が好きなのです。


韻を踏んでいるのがドイツ語らしくて美しいし、音楽も素晴らしい。
美しく整えられたものは安らぎをくれる……。


静かな夜にぴったり。。
訳詞によって印象が変わりますけど、ドイツリートはやっぱりいいなあ。整えられた清謐さがあって美しい。強引じゃない繊細な音楽、落ち着きます。


私は、わかかりしころ(笑)美しいなんて嘘だ!こんなによくできた世界なんてないよ。なんだそんなキレーごとは知らん!と思っていましたが、松田次史師匠に
『自分がきれいでいられないから、だからこそ音楽に美しいものを求める。みんなどう思うかわからないけど、僕はそうなんだ。』

と話され深く感銘をうけました。。私は、それを聞いて号泣でした。
『僕はそうなんだ』です。
トランペットという楽器やクラシックというジャンル、オーケストラプレイヤーだからという職域ではなく、
『僕は』
と言う語り方を選ぶ貴さ、いさぎよさを身に焼き付けられた一言でした。


『エレガント』に全く共感、基本的な自主的な興味をもてなかった自分。
ありえないものには真実味がないという半端な物知顔でいた十九歳(笑)
『エレガント』への深い憧れがこのとき確立したといっても過言ではありません。
『ほんとはこうだよ。』だけではなく
『ほんとはこうあってほしいのだ』という切実な願い。
それを捨ててしまうと人生が味気なくなると思います。


自分でドイツリートつくるほどドイツ語を知らないのが残念ですが、趣味の勉強として、いつか作ってみたいな。
きっといくらつくったころでリュッケルトのが好きだろうというのはわかってるんだけど(笑)



私には私の好きな音楽があるからこそ、
人がそれぞれに好きな音楽を秘めていることを忘れないでいたい。

いろいろ頑張ってますが私の生涯の命題は『エレガント』。
とても壊れやすく、手にいれにくくて、はかないもの。
実状から一番かけはなれてる気すらします……(笑)。


それでも私は、自分の憧れを自分で守り育てていきたいな。
好きな音楽を聞き、
十九歳のときの自分の憧れが今も消えていないことに、救われたような気がします。


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