君の事を考えないように何か別の事を頭に思い描いてみても、ああ、君はこんなところにもいたんだね、と気付いてしまう。たくさんの君が僕の中にいるんだ。
あなたの余韻が残る部屋に帰る事がこんなにも怖い。何も考えないようにしたところで、次々に浮かんでは消えていく風景。(あなたが他の人に肩を抱かれているところだとか)消えない余韻。消えない風景。あなたが置いていったマフラーだけが、僕を繋ぎとめる細い糸。
あなたの事を好きになって、本当に良かった。(まるで結婚記念日みたいだ)