Just A Little Day
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あたしは昔から王子様キャラに弱い。 それは今も健在。 堂本光一、アルフィーの高見沢さん、THE YELLOW MONKEYのエマちゃん・・・ ああゆうタイプに弱い。 現実世界に居る王子様キャラの人にも弱い。
でも、王子様というのは手が届かなくてこそ王子様。 あのキラキラは、傍に行くと眩しすぎるだろうから。 というか、傍にいると疲れそう(失礼)。 キラキラしていない凡人のあたしは、木の陰から眺めるのが一番。
王子様キャラの人々は、誰かのものになってはいけないと、勝手に思っている。 常に違う女をはべらせていても、むかついたりしない。 むしろ、それでこそ王子様!
だんだん危ない子になってきた。 この辺でやめておこうね。
気付けば、けんたがうちにきて、1年。 あらっという間に大きくなった。 体重9kg 最近喋りかけてくる。
うちでは「けんたぼーん」「いぬけんた」「しばけんた」などと呼ばれています。
いぬけんたは真っ盛り。 あたしのおしりばっかり追いかけています。
掃除機とドライヤーとブラシに異常なほどに闘志を燃やします。 散歩は好きなくせに、コートを着ているあたしを見ると逃げます。
好物はキャベツの芯。あと乳製品。 果物はあまり食べません。 牛肉を食べるとハッスルします。
ぬいぐるみを見ると、ものの5分で綿を出します。
ラーメンズ小林賢太郎さんの犬の鳴き真似に反応し、スピーカーの前で首を傾げます。 好きなテレビは「ぽちたま」と子供向け番組。 吉井和哉さんを見ていると吠えます。
そんなけんたぼーんも、うちにきて1年かぁ。
と、親馬鹿っぷりを駆使して書いてみた。 けんたぼーん、これからもよろしく。
世の中を、色眼鏡なしに見てみたら、 案外しあわせだって気付いた。 目の前のしあわせ。 あたしの両手の伸びる距離は、 案外しあわせ。
隣りの芝生を羨んだって、 裕福そうな友人を羨んだって、 両親揃った人を羨んだって、 あたしの持っていないものを持っている人を羨んだって、 あたしはあたし。
身体も丈夫。 両親は離れていてもそれぞれ健在。 実家は無くとも、松戸の家がある。 遠くても、電話一本で距離を消してしまう友達も沢山いる。
目の前に感謝。 今ある現状に感謝。
それでいいじゃない。
あたしも平和呆けしているけれど もっと呆けた生き方をしたかったな
あって当たり前 いて当たり前 当たり前のことに気付かない 当たり前だから疑問なんて、もちろん抱かない 当たり前だから、感謝だってしない
いいね。平和で。 呆けている当人は、自分が呆けていることに気付かないもの。 いいね。幸せですね。
あの人の歌を、どんな気持ちで聴いているんでしょうね。
是非聞かせてもらいたいもんだ。
強風の為、帰宅を延期。
ゆうべの夢。 〈その1〉 時は大正〜昭和初期。 どこかの御屋敷の廃墟。 ゾンビが大量発生。次々に人が殺されていく。 あたしは30〜40歳の婦人。 ストンとしたハイカラなドレスで、同じくらいの歳の婦人と二手に別れて、物置に逃げ込む。 鍵をかけそびってゾンビに追い詰められる。 後ろは窓。 格子は固そう。 もう駄目だ!!と思ったら、ゾンビが窓を指差した。 「逃げろって…??」 窓を破って必死で逃げる。 着いた先には¨おしん¨のような少女と、モンペの老婆。 「●●町の屋敷で、殺人です。警察を呼んで下さい!!」 すると老婆が一言。 「●●町なんて、歩いて行かれる距離じゃないよ。夢でも見たんじゃないの??」 そこで何故か納得。
--------------------------------- 〈その2〉 あたしは高校生。 今日は炊事遠足。 食材は数日前に買っておいた。 なぜか常温保存していた刺身もカバンにつめた。 米5kgもカバンにつめた。 いざ出発。
山の真ん中あたりで、鍋を忘れたことに気付く。
どうしよう。豚汁できないじゃん!!
…あ。炊飯器使えばいいや。
完
------------------------------ 〈その3〉 専門学校。 いつもの風景。 親友(通称・隊長)が一言。
「あたしさぁ、オーロラって、すごいオーラのことだと思ってたんだ」
完
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…。 なんでしょうね。 変な夢。
外は強い風。
思い返せば、高2の夏から高校卒業までの1年間を除いて あたしの隣りには必ず「彼氏」と呼ぶ人がいた。
あたしは結局、一人になれない。 淋しいのは厭だからなのか、恋愛体質だからなのか。 結局、一人になるのが怖いんだ。
「誰か」の存在があって初めて、自分の位置がわかる。
あたしは人一倍のファザコン。 「パパ」と呼んでしまったから、「彼氏」ではなく「パパ」になってしまった。 そのまま一緒に暮らしてしまったから、「彼氏」でなく「家族」になってしまった。
別れ話がまとまって、あたしは必死に「別れないで済む道」を探している。
もう終わりだ。行き止まりだ。この関係に未来はない。
散々そう思っていたくせに。
壊さなきゃいけない? 別れなきゃいけない? だって、ここはこんなにも居心地がいい。
午後のリビング。 西に傾きはじめた陽が、テレビに反射して眩しい。 1月4日。世間は仕事始め。12時過ぎに起きたあたしは、コーヒーを飲みながら洗濯機を回し、食器洗浄機によごれものを入れ、掃除機をかけた。 台所では食器が水音を立てて洗われている。
もう何度も見たビデオを再生し、4杯目のコーヒーを注ぐ。 今や伝説になってしまったバンドの、伝説になったライブが流れる。 戦場に散った兵士が50年後の世界へ恋人を捜しに甦る物語。
足元では犬が、あたしの脚にしがみつき、一心不乱に腰を振っている。
「人も犬も、たいして変わらないな。」
小さな頭のてっぺんを見つめ、そんなことをぼんやり考える。人も犬も、獣だもの。
正月は散々だった。 元旦は彼の実家、2日はあたしの親戚への挨拶まわり。 彼と、あたしと、犬。 皆が遠慮がちに、でも有無を言わさないかんじであたしたちに訊く。
「で、結婚は?」
彼はその度に困った顔をし、あたしが答える。
「ありませんね。」
それ以上訊いてくれるな、という思いを込めて発せられたその言葉に、あたしの親戚は困った顔をした。
去年一年間、あたしが彼に問いつづけたこと。
「ねぇ、あたしと結婚する気、あるの?」
年末に気が付いた。あたしたち、きっと結婚しない。
それにしても、あたしたちは色々と拾いすぎたらしい。 動けなくなるのは厭だ。
正月のあいだじゅう、あたしはあたしじゃないみたいだった。 誰の云う事も、あたしには届いていなかった。 身体中の針を逆立てて、必死に抵抗していた。
「誰も近寄ってこないで」
一人になるのは怖いくせに、あたしは一人になりたがる。
テレビから、ロックスターが唄う。
君は馬鹿じゃない 君は馬鹿じゃない 君は馬鹿じゃない
奇妙に明るい音がして洗濯が終わった。 これを干したら、夕飯を作らなくちゃ。 結局自分が何を考えていたのかなんて忘れて、あたしは家事に戻る。 結局自分が何を書きたかったのかなんて解らぬまま、あたしは「主婦」に戻る。
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