連休のアニ○ックス一挙放送も終わり、新兵もやってきたころなので、監督インタビューの続き。 -------------------------------------------------- 〔引用・エリア88コンプリートブック〜アニメ設定資料集〜/メディアファクトリー 監督インタビュー今掛勇氏よりp108-109〕 ――その一方で、戦争の全貌がテレビシリーズでは描かれていませんが、その理由は? 今掛 戦場を舞台にしたキャラクタードラマを主軸に描くこととメインテーマにしているのと、やはり世相への配慮もあります。だからあえてアスランがなぜ戦争をしているのか、敵はどこなのかはまったく描いていないんです。原作ファンは、背景に関して既に知っていてアニメを見ているわけですし、アニメから『エリア88』のファンになった人は、いきなり思想や宗教など難しい設定から物語に入るのではなく、作品の雰囲気をアニメ版から知ってもらって、その後で原作を読んで背景を読んで、より作品を楽しんでもらえればと思っています。 ――もうひとつ気になるのが、原作と微妙に違うキャラクター配置ですが、これもシリーズ構成やテーマ、演出と関係しているんですか? 今掛 そうですね。まず、キムが最初からいるのはマスコット的な意味が大きいですね。いくら戦場ものの作品とは言え、一息入れられるキャラクターがいないと、テレビとしてはキツイわけです。そういった意味でキトリというオリジナルの女性キャラが出ています。これは、シンが日本に帰るモチベーションになっている涼子が、物語にはほとんど出てこない。その目の前に存在しない涼子の体日として女性キャラを置きたかったんです。男が言えないことを女性だったら言えるということや、新庄だけの視点だけになると物語に幅が出ない。それをフォローする意味でのキャラ配置をしているんです。また、原作で描かれているキャラクターがかなり魅力的なので、そこが少しでも新しいファンに伝わればいいなとも考えていましたね。 -------------------------------------------------- インタビューアーの質問がしごくまっとうなもので、引用し易く助かります。 これは、原作を読んでいないと話が理解出来ず、原作を読んであると違和感が大きすぎてついていけないという最悪なパターンですな。 舞台説明が作中出てこないので、未読者には、何時の時代の話で、ここは何処で、彼らは何処と戦っているのか、基本事項が解らなかったんじゃないでしょうか。 かろうじて、ミッキーがベトナム戦争帰還兵ということと、内乱ということが明かされているので、そこから年代を推定して、何処か内乱が起こっている国の前線基地ぐらいしか情報がなかったように思います。 戦争の話なのに、何処と何処が戦っているか概要を説明しないようでは、早々に見る気を損ねてしまいます。 細かい説明は後回しで、まずは雰囲気から掴んでもらうっていうのは、第1話あたりでよくみられるやり方ではありますが、その後に説明が入るからそれでいいのであって、最後まで舞台説明なしというのは、話の全貌がつかめず、話全体がぼやけたものになってしまいます。 何時の時代の話で、ここは何処で、彼らは何のために何処と戦っているのか、そういった地盤になる部分が不明のままだと、話についていこうという気が失せてしまいます。 いきなり思想や宗教など難しい設定から物語に入るのではなく…とあるけれど、この話、そんなに難しい設定とも思えないんだけどな。 エリ8というのは、アスランこそ架空の国なれど、それ以外は79〜80年代前半の現実の世界情勢そのままの世界です。 そして、資本主義の産軍複合体など、当時の政治経済軍事をそのまま取り込んで話は展開しています。 ただの前線の一兵士のドラマのみに終始するのではなく、こうした時代が示す政治や産業にも触れているところが、この話の魅力の一つだと思うのですが、そこには封殺ですか。 なんか、このアニメは新谷漫画のいいところ(自分主観)をことごとく削っているような気がするなぁ。 よく、良い素材使っているんだけど、料理人の腕が未熟で不味い料理になってしまったって言い方があるけど、このアニメの場合は、わざわざ素材の良い部分を捨てているような気がする。 豚肉でいったら、ヒレ肉を全部捨てちゃって、バラ肉をなまくら包丁でギタギタに切りつけて、そこに国外産小麦で作ったパン粉を大量に混ぜ込んで、安い油で揚げて、何を勘違いしたのかイチゴジャムぶっかけて、これはヒレ肉のカツですっていっている感じ。 最初っからメンチだって表示しとけば、不味い料理の一言で済むものを、銘柄打ち出して販売しているもんだから、ふざけんな、こんなの販売してんじゃネーよ、表示違っているだろ、腹立てているみたいなものですか? それになにより、内乱のことに触れないと、サキのキャラクターが立ってきません。 サキ、この話の 同様にキトリもだたの女が足らないから出しただけの人物になってしまいました。 サキの姪ということで、内乱の行方に関与してくる人物だと思ったのに、その点何も触れなかったので、それだけの人物にしか見えません。 サキは指揮官としても有能で、戦闘機乗りとしても一級、外交政治にも明るいなマルチな人(自分主観)なんだけど、それが伝わらないままです。 王子様って設定も、知られてないんじゃないだろうか?サキが王子様で実の父と戦争しているって、みんな知っていた?え?初めて知ったって? 出てきたのは、司令官としての一面だけ。それも、基地を何度ももぬけの空にして、優秀な指揮官には見えまぜん。 原作読まないと話解んないのに、原作ファンだと耐えられないってのは辛すぎる。 私はエリ8のどこが好きかっていったら、確かな資料に基づいたマニアックな兵器知識と、そんなハードメカが出ていながらも御伽噺なところ、そのバランス加減なんですけどね。 リアリティ溢れる世界だけれど、リアルのみを追求するのではない、この絶妙な絶妙なバランス加減がとても好きです。 で、舞台が語られないってことは、ひみつきちえりあ88は日本にあるって解釈でOKですか?
面白すぎだよ、銀河英雄伝説。 観ても観ても終わらないヨ。 いったい全部で何話あるんだ。 こんな大作今までで見てなかったおかげで、今とっても幸せ! どうしよう・・・私、この話、見るの初めてだし、小説も読んだことないのに、なのにこの慨視感の嵐は何? 姉に異常な執着を示す豪奢な美形の天才主人公ってだけで、兄弟モノが三度の飯より好きな選民主義が服着て歩いている私にはたまらないというのに、それを陰日なたに支える有能な幼馴染の兄ちゃんとか、背後に控える冷徹詐術家参謀とか、さらに戦争を何よりも嫌っているのに、皮肉なことに誰よりも戦争の天才という憂いを秘めたもう一人の主人公とか、その身辺を世話する聡明な14歳の少年とか、加えて日本語なんだか独逸語なんだか帝国語なんだかよくわからんが華々しくも仰々しい台詞回しに、壮麗に流れるブルックナーのシンフォニーなど・・・ああ、もうたまらん。華燭の盛典とはまさにこのことだ。 この話には私が小さなころから読んできた書物、観てきた映画、聞いてきた音楽の集約がありました。私の好みのすべて集約されていました。その趣味の合致ぶりにただもう身を震わせるばかりであります。 おかげで、今日はタグを打つのに、line-height のところを Rein-hard (ラインハルト)って打ちそうになったじゃないか。 卿は私に溺れ死ねと申すのか。ああ、いいとも、溺れ死んでやろうじゃないか! あの金髪の兄ちゃん面白すぎなんだよ。 つーか塩沢さんがいた、塩沢さんが! 出ているとは聞いていたが、発声して0.1秒ですぐ塩沢さんの声だってわかったよ。 あー、この人の声、好き好き好き好き。 と異様なテンションで始まった今日の文書が示しているように、4月からキッズで再放送している銀河英雄伝説にただいまもの凄い勢いではまっております。 話のほうはあいかわらず登場人物多すぎで、名前がなかなか覚えられませんが、声あてている人が有名な人ばかりなので、人物のほうは声で判別がつくし、親切なナレーションが入るおかげで、話全体の流れも掌握できて置いてけぼりをくらうこともありません。 一つ一つのエピソードも情感深く、話全体のスケールも壮大にて豪華、それでいながら、迷子になることもなく解りやすいです。 この話はすべてにおいて規模が大きいのですが、この話に出てくる戦艦というのが、これまたやたらと艦橋が広いです。 艦橋にオーケストラピットを抱えているんじゃないか?と疑いたくなるぐらいに広いですよ。ここはオペラハウスか。 こんなところで指揮をとった日には、思わず、文句があったらいつでもベルサイユにいらっしゃいと打電しそうになりそうです。 しかし、私がこんなに面白いと思って夢中になっているOVAも、原作ファンの人からすれば、やはり不満があるのでしょうか。 あのキャラデザはなんだ、けしからんとか、 原作特有の台詞回しがまったく再現できておらんとか、 ここでマーラー5番を使うとは何事だ、ここはドボルザークの7番に決まっとるだろうがとか、 何故、あのエピソードを改変したのかとか、 こんなもの銀英伝じゃないとか、 塩沢兼人がオーベルシュタインなんて駄目駄目。 富山敬がヤン・ウェンリーなんて認めない。 なんて言っているんだろうか・・・。 きっと言っているんだろうな。 ああ、私は今、本気で銀河英雄伝説が羨ましい。 なんでエリア88はこの枠で製作してもらえなかったんだ。 そんなことをいっていたら、塩沢さんの風間真と富山さんのミッキー・サイモンが見たくなってきた。
追記 今ちょっと劇場版名探偵コナン『銀翼の奇術師』の感想を見て回ったのですが、コナンファンとエリ8ファンって着眼点が全然違っていておかしいですね。 誰も航空機に突っ込みを入れてないところがおかしいです。 エリ8好きの人だったら、ここぞとばかりその話題に集中しそうなんですが、 誰もそんなことは気に止めてないところがたまらなくイイです。 タキシングの指示やアプローチに向けての旋回がああだこうだと真剣になって語っている人など誰もいません。 水揚げされた貯木山積みで、しかも石油コンビナートが隣接している埠頭に、ど素人の高校生がレシーバーの指示だけでマニュアルで着陸させるなんて、栗ちゃんだってお手上げですぜ?なんて野暮を言っている人もいません。 エリ8好きな人って、航空知識があたり前のようについていて、おっかないですね! ライトな視聴者から見えれば、エリ8ファンってきっと魔物の集団だろうな。 コナンくんの映画というのは、本格推理やリアルな事象を検証するのではなく、エンターテイメントとしてのおもしろさを追求するものだと思うので、うんうん、それでOKですよー。 航空ファンはとりあえず見ておけ。 キッドが別れ際にGOOD LUCK!って言うぞ。 新一は超高校級の名探偵だけど、でも童貞ってところが好きです。
キムへ――― 神崎の好意で、今この短い手紙を書いている。 神崎は俺達二人の間に横たわる例の問題について 最後の決着をつけるために俺の手が空くのを待っている。 奴は今、いかにして日本警察の目を避けて いかにして俺の行動に関する情報を手に入れたか その要点を説明してくれた。 おかげであの男が高い知力を持っているということがはっきりしたわけだが なあに そんなこたぁ昔から知りすぎるほど知っていたさ。 これで彼がもたらす害悪を社会から取り除くことができるかと思うと 俺は深い満足を覚える。 ただ、その代償として、戦友諸君 とりわけキム お前に苦痛をあたえることになっちまうな。 だが、たびたび言っていたように どのみち俺の手は血で汚れすぎていたのだし 最期の幕を閉じるのに これ以上俺に相応しい方法はないのかもしれない。 事実、正直に言ってしまえば 俺は神崎からの電話が決着の呼び出しとはっきりわかっていたし その後こういうことがおこるのを予期して お前が基地に留まることを強要させたのさ。 日本の安田妙子という女性に 神崎悟の有罪を証明するのに必要な書類は 表に「カンザキ」と書いた青い封筒におさめて 整理棚の「K」の部にいれてあると伝えてくれたまえ。 財産は日本を立つ前に 妻の涼子に譲渡する手続きを済ませておいた。 マッコイじいさんによろしく。 死線をくみ交わし友 シン・カザマ 『最期の事件/シャーロック・ホームズの思い出』より ------------------------------------------------ というわけで、名探偵コナンの映画見てきました。 今回は名探偵コナンと宿敵怪盗キッドの対決話だったんですが、奇遇なことにこの映画、 三木眞さんが新庄という役で出ていて、バッハの小フーガのアレンジ曲がBGMで使われておりました。 しかも、内容というのが航空機パニックもので、旅客機内で事件がおこり、それに機長・副機長が巻き込まれてしまって操縦不能、そんな緊急事態に、たまたま乗り合わせた稀代のトラブルメーカー江戸川コナン君らが手動で着陸に挑むという話。 ファントム無頼かと思いました。
下からの続き ---------------------------------------------- 〔引用・エリア88コンプリートブック〜アニメ設定資料集〜/メディアファクトリー 監督インタビュー今掛勇氏 p108-109〕 ――そのシンとの対になる語りで、アニメオリジナルキャラの新庄がいるわけですね。 今掛 新庄というキャラクターをメインに据えた理由は、客観性という部分を描くというためなんです。写真は、何も判らなくても撮れるものと、判ったからこそ撮れるものがあるわけですよ。新庄が客観的な立場にからなら、基地の様子やさまざまな過去を持ったぴロットたちの顔は撮ることができますが、戦場で疑問になってくる「なぜ戦うのか?」、「なぜ生きたいのか?」という部分は相手がわからないと撮れないわけです。ミサイルが1発当たれば死んでしまうような世界で、生きるために人が糧としているものが必ずあって、それを新庄がどのように捉えていけるかというのが、今回のもう一つのテーマであるわけですね。 ――今回テレビシリーズエピソードは、膨大な『エリア88』のほんの一部ですが、全12話の構成もテーマと関係あるんですか? 今掛 シンの悩みや苦しみが入れられるエピソードであるかどうかが、原作からのエピソードを選ぶ理由になっています。シンが人殺しをしている苦しみを言葉で言えない以上、何らかの形で出していけるシリーズ構成を考えましたね。そして、新庄がそれぞれの話のキーとなる部分を写真で撮るというコンセプトにもつながっています。 ---------------------------------------------- シンに関しては昨日書いたので、今日は新庄について。 この本のTVシリーズ各話コメント一番最後のところで、シンは主人公として描けたと思っています、という監督の発言があるんですが、うーん、やっぱり主人公はシンじゃなくて、新庄って感じだったかなぁ?どうも私には主人公は新庄真のように思えました。 昔ロバード・キャパに憧れて戦場カメラマンになった男がいた。しかしそいつも今じゃ金で雇われて、死に顔撮るためにシャッターを切る男になってちまった。そんな男が最果てのエリア88にやってくる。最初は金のためにシャッターを切っていた男だったが、そこに生きるエトランジェの姿、中でもシン・カザマの生き抜こうとする姿を見ているうちに、男はカメラマンとして再生していくのだった。<完> こんな感じ? エリア88の話っていうより、従軍カメラマンの再生記録って感じでした。 最初はカメラマンが出るってことで、きっとカメラマンがガイドリーダー役を努め、ファインダーとフィルムを媒介として、A-88を観客に伝えるんじゃないかと思ったんですけどね。 冒頭が回想場面だったので、毎回一人ずつ誰かにスポットをあてて、12話彼の回想って形あたりにするんじゃないかと。あくまでカメラマンはガイドリーダーで、話の導入部分に登場して、あとはひたすら撮る側に回って報告。そんなフォトレポルタージュになるんじゃないかと思っておりました。 けれど、始まってみればカメラマンが撮る側じゃなくて、写る側に回りすぎていたかなあ。ちょっと鬱陶しかった。飛行ブリーフィングに当たり前のように参加していたり、ご高説説いたり、意見求められたり、話の中心に鎮座しすぎ。新庄視点でA-88見せるというよりも、視聴者に新庄を見せるためにA-88を動かしているといった感じのほうが強かった。おかげで部外者が中ひっかきまわしているようにしか写らず、存在そのものが邪魔臭いものになってしまった。 まあ新庄には新庄の過去があり、どうして金で雇われてエリア88に来ることになったのかは、作中語られることはありませんでしたが、何かしらそれなりの事情があったのでしょう。ちょうど傭兵達がここにくるまでの過去を一人一人持っているように。 それの点ふまえると、この男もまたエリハチちっくな男ということになり、興味深い配置のように思えてくるのですが、いかんせん鬱陶しさのほうが先にきてしまいました。うん、あとバルブ撮影には三脚とレリーズ使えよ☆
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