読書日記

2002年09月14日(土) ビデオで映画『キャスト・アウェイ』を観る。

ビデオで映画『キャスト・アウェイ』を観る。主演のトム・ハンクスとバレーボールのボールの身を削る演技がリアル。単なる難破もので終わらない奇妙な味わいがある。ちょっと出てくる犬もかわいい。
『マイリトルシェフ』が予定調和式に最終回を迎えた。稚拙だがこれもほのぼのとした話で記憶に残った。



2002年09月12日(木) 吉田修一『最後の息子』(文春文庫2002/08/10)をちょっと読む。

吉田修一『最後の息子』(文春文庫2002/08/10)をちょっと読む。
文學界の新人賞受賞作だから手にとったわけではなく顔のよさで買ってしまった。
顔つまり本の装幀が魅力あり。石橋優美子のイラスト、大久保明子のデザインが目を引いた。
腰巻きの浅田彰と山田詠美の名前と言葉よりも黄緑色が面白い小説と思わせた。
オカマやホモの話とは思わなかった。
それでも読み始めると本を置くタイミングがつかめないほど凄く面白いというわけではないが、飽きるころにうまい挿話が出てくるので、一気読みになってしまった。
陰の現物・現場主義と呼んでおくことにする作者の挿話提出は巧みでなるほどと自分の生活を振りかえさせる密やかな魅力を持っている。
ただ一人のときに何かの言葉を確かめるように口にすることは、最後の大切なことだと思う。



2002年09月10日(火) 南木佳士『阿弥陀堂だより』(文春文庫2002/08/10)を読んだ。

南木佳士『阿弥陀堂だより』(文春文庫2002/08/10)を読んだ。
映画化に当たっての文庫本化にしても素晴しい作品。私小説的魅力に富み、じっくりと味わうことができた。
七年前の作品だが、現代にこそふさわしい。ある意味救いの小説。
作家志望の主人公の奥さんを最先端医療で活躍する医者とした点が特色。
前に岩波新書で、医者でもある著者の文章に触れて感心した。
この作品も著者の人生を込めた力作。

城山三郎『外食王の飢え』(講談社文庫)を読む。
実在の外食産業のパイオニアをモデルにしたノン・フィクション的小説。熱い男の一代記は読む方も熱く集中させる。こんな人が身近にはいてほしくはないが立志伝中の人物というのはこんなものだろうと思った。バランス感覚があったらその道で儲けられるはずがない。
少し前の作品でもまだまだ現役である。
一気に駆け抜ける人生を見事に描いた。

テレビを随分見た。
『北の国から』前・後編とそのドキュメント。ビデオで『シュレック』
いつも観ている『ミュータントエックス』『マイリトルシェフ』『ランチの女王』など。
さすがに目が疲れる。



2002年09月08日(日) 北上次郎『ベストミステリー大全』(晶文社2002/04/30)をさっと。

北上次郎『ベストミステリー大全』(晶文社2002/04/30)をさっと。
『小説現代』連載のコラム169篇をまとめたもので期間は1988年から2001年まで。物凄い分量に驚き入る。並行して他の雑誌やネットにも同様の書評エッセイを執筆中なのだから恐るべき商売人である。
こういう本は読み方が難しい。あまり真面目に対すると当の本に接する気が起こらなくなるのである。かつてはそうかそうか面白いのかと読書欲が沸騰したものだが、今は歳をくったせいかそうならない。自分が読んだ本についての確認作業になってしまっているのだ。読む本を決めるためにかつては一生懸命読んでいたのに今はかなりいい加減である。
作者の名前と題名の周辺の文章をさっと読んでどんどんページをめくっていく読み方に変わってしまった。
新鮮な関係というべきものが消えてしまった。
出てくる本のほとんどが未読であるにもかかわらず読む気が全く起こらない。
一種の飽和状態で世の中にもう新刊で傑作と言う本がこの十年来存在していないだけの話?


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