2003年01月09日(木) |
森まゆみ『谷根千の冒険』(ちくま文庫) |
森まゆみ『谷根千の冒険』(ちくま文庫 2002年5月8日 第1刷発行 720円 287P) この本は1991年晶文社刊の単行本『小さな雑誌で町づくり』の文庫化本。 抱腹絶倒の冒険談で一気に読ませる。 谷中のや、根津のね、千駄木のせ、あわせて「やねせん」 この約十年間の日本の歴史とも重なって冒険の連続史である。
2003年01月08日(水) |
久恒啓一『自作ホームページ超活用法(図で表現する人は仕事ができる!)』(KKロングセラーズ )を読んだ。 |
久恒啓一『自作ホームページ超活用法(図で表現する人は仕事ができる!)』(KKロングセラーズ 2002年10月1日初版発行 905円221P) ホームページを作り自分を磨く基地とする、これが骨子で、「社会が求めているのは、自分を深く掘り、それも豊かに表現できる人」(110P)と説く筆者の実践と解説によるホームページ作りの奨めなんだが、主張の核心には先だって読んだ勢古浩爾のエッセイと共通するものがある。 それは、自分を高め自信を身につけながら人を大切にすることを忘れないこと。 ホームページ作りの技術的な本は増えているがこういうエッセイ的な手軽に読める、いわば思想的な本はあまりないので結構読まれるのではないだろうか。 *なお、9日と10日はパソコンに迎えないので11日にまとめる予定。
本日入手(積ん読候補!) リチャード・パワーズ(訳=柴田元幸)『舞踏会へ向かう三人の農夫』(みすず書房 3200円 416P) ロジャー・パルバース(訳=上杉隼人)『旅する帽子(小説ラフカディオ・ハーン)』(講談社 2300円 338P) 乙一『GOTH(ゴス リストカット事件)』(角川書店 1500円 332P) 青山南『この話、したっけ?(インターネットでこんなに読めるアメリカ文学)』(研究社出版 1500円 202P) 内田樹『「おじさん」的思考』(晶文社 1900円 260P) 山之口洋『オルガニスト』(新潮文庫 552円 381P) 紀田順一郎『鹿の幻影』(創元推理文庫 430円 254P) 江戸川乱歩『大暗室』(創元推理文庫 650円 428P) スタンリイ・ワイントラウヴ(訳=高儀進)『ビアズリー伝』(中公文庫 820円 504P) 坂口安吾(訳=ロジャー・パルバース)『桜の森の満開の下』(ちくま文庫 680円 219P) 松山猛&フジテレビ『ワーズワースの庭で』(扶桑社文庫 505円 290P) 富士正晴『豪姫』(新潮文庫 360円 244P) 福永武彦『加田伶太郎』(新潮文庫 280円 379P)
2003年01月07日(火) |
山田太一『彌太郎さんの話』(新潮社)をやっと読んだ。 |
山田太一『彌太郎さんの話』(新潮社 2002年3月15日発行 1600円 277P) こういう不思議な魅力を持った人物は現代では存在しないのではないか。戦前、戦中、戦後直後までは隣近所に一人くらいはいたような人間としての色気を備えた人物が今はいないような気がする。 ちょっとやくざで気っ風がよくて話し上手な兄貴分的な人物の代表選手としてこの話の「彌太郎さん」が登場して、今の日本にこんな人間はいなくなったと語って消えたという感じ。
初出はすべて「小説新潮」で平成11年7月号から平成13年10月号まで8回に渡って掲載された。 順番に「彌太郎さんの話」「二十七人」「銀龍」「小さな夜祭」「一歩前」「八億四千」「思い出がない」「天国の周辺」の八編からなる。
こんな怖い空想小説を書くことのできる山田太一はただものではない。オリジナリティのおいて一番。
これは映画化すべき小説である。だれが適任か思いつかない作品こそ映画化すべきだ。 うまく作れば観客は喜怒哀楽プラス恐怖の世界で右往左往するにちがいない。怖いわい。
本日入手(大袈裟!)の本。 大江健三郎『取り替え子(チェンジリング)』(新潮社 1900円) エドワード・ケアリー(訳=古屋美登里)『望楼館追想』(文藝春秋 2571円) 舞城王太郎『熊の場所』(講談社 1600円) 三津田信三『作者不詳(ミステリ作家の読む本)』(講談社ノベルス 1500円) 飯島耕一『暗殺百美人』(学習研究社 1600円) 飯島耕一『小説平賀源内』(砂子屋書房 3000円) 嵐山光三郎『美妙、消えた。』(朝日新聞社 1800円) 伊坂幸太郎『ラッシュライフ』(新潮社 1700円) 阿部謹也『学問と「世間」』(岩波新書 680円) アントニイ・バークリー(訳=藤村裕美)『ウィッチフォード毒殺事件』(晶文社 2000円) 高橋克彦『火怨(北の燿星アテルイ)上』(講談社 1800円)
2003年01月06日(月) |
勢古浩爾『「自分の力」を信じる思想』(PHP新書)を読む。 |
勢古浩爾『「自分の力」を信じる思想』(PHP新書 2001年9月28日第1版第1刷 204P) 「自分の力」を信じる勇気・努力は「自分の力」を理性の目で判断できるかどうかで作られる。 明石家さんまやビートたけし、おすぎの話まで出る縦横無尽なこの長編エッセイの行方は割と平凡なところへ導いてくれるが、その語り口が面白い。
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