読書日記

2003年05月22日(木) 『ペイ・デイ!!!』読み終わる。

評判なので大いに期待して読んだが、今ひとつの印象。現代性が前面に出ているわりには『アメリカン・グラフティ』の世界に近い。9・11事件を十分に消化していない。テレビドラマを連想したのはそのせいかな。
十代後半の男女子の心理はしっかり描かれている。
城山三郎『この生命、何をあくせく』に続き『湘南』を読み始める。
今週は、城山三郎週間だ。



2003年05月21日(水) 山田詠美『ペイ・デイ!!!』読書中。

なんと現代の日本が舞台でもなく、日本人が主人公でもない。アメリカ人の双子兄妹ティーンエジャーが主人公だった。時代は現代、場所はアメリカ。9・11のツインタワー陥落に二人の母親が巻き込まれて行方不明だったり、おじが湾岸戦争に従軍していたりで、最近のアメリカが描かれている。
一話完結のテレビドラマ・シリーズを見ているような気分。



2003年05月20日(火) 城山三郎『部長の大晩年』(朝日文庫)読了。

今週は、城山三郎特集ときめてできるだけ読むことにした。なぜこの人かの理由は最新エッセイ集『この生命、何をあくせく』(講談社)を読み、気に入ったからというところ。
もちろん、突然、ではなくこの二、三年気にかかっている人でもあった。
個人情報保護法案反対の件でしっかり意見を述べている人という良いイメージもあった。
この本は、俳人の永田耕衣についての長編評伝。
型破りなその俳句の評釈とまでは言わずともその背景にある事実や出来事とともに紹介されるので味わいが格別である。
淡々とした描き方は、極力客観的になろうとしたもので、多分、耕衣の生き方とその俳句を印象づける面で効果を上げている。

城山三郎特集週と書きながら次に手にとったのは、山田詠美の最新作であるのは、なんでだろう。
第二章まで読んだ。まずまずの面白さ。



2003年05月16日(金) 『この生命、何をあくせく』城山三郎

去年まで講談社の『本』に連載していた巻頭エッセイをまとめたもの。一部加筆とあり、もう一度読む気になった。全36編。珠玉のエッセイ集である。


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