読書日記

2004年08月28日(土) 中井英夫『虚無への供物』創元推理文庫

中井英夫『虚無への供物』創元推理文庫を読んだ。
読もうと思って果たせないでいる本が数多くある。その一冊がこれだった。
初めて見た姿は三一書房版の箱入りの作品集。ある橋の近くの古本屋で千円くらいで買った。三十年前。
最近、講談社文庫に入ったことが刺激になった。
読むなら創元推理文庫の全集版と考えていたので新しい方で読む気にはならなかった。
著者のあとがきのある681頁まで一気に読んだと言えればかっこうがつくが、実際には1カ月かかった。読み終わって気がつくとまた最初から読み始めようとしていた。螺旋階段をゆっくり昇ってきた。いつのまにかどこかで上下や前後が入れ替わってしまったらしい。
相沢啓三の解説と本多正一の解題を読むにはまだまだ時間がかかりそうだ。



2004年08月27日(金) エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』河出書房新社

最近評判の奇想コレクションシリーズの一冊。まず「フェッセンデンの宇宙」が来ている。
初めて読んだのは十代の半ば頃。その時の衝撃的な読後感は消去されないはずだが、あらためて読む必要があるのかどうか迷った。



2004年08月26日(木) 小川洋子『博士の愛した数式』新潮社

あと30年もたったら例の『アルジャーノンに花束を』と並ぶ名作と呼ばれているかもしれない。今は大人のための心優しき童話にすぎない。
巻末の次の参考文献が誘う。題名だけ引用します。
『はじめまして数学1、2』『数の悪魔』『天才の栄光と挫折 数学者列伝』
『フェルマーの最終定理』『牙 江夏豊とその時代』『左腕の誇り 江夏豊自伝』
江夏豊が伝説の男となる。



2004年08月25日(水) 幸田文「月の塵」講談社文庫

これが本当の「後拾遺集」と考えると悲しいが、ここにいる幸田文はすこぶる元気で爽快な文章を書いている。幸田露伴の娘さんなので文章に厳しいと思いきや結構自由な書きっ振りであきれてしまう。
毎日5ページ前後読んで最近流行りの「10分間読書」のまねごとをしている。
文庫版の幸田文作品が10冊ほどたまったのでこうやって少しずつ読んでいく予定。


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