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2006年05月22日(月) 息継ぎを忘れたマーメード

 客の少ない喫茶店で「何を考えてるの?」ってあなたは僕に愚問する。その質問の意味を見つけることができずに考え込むとまたあなたはムッとする。そしてやっと考えてることが何なのかを自覚したときにはもう遅くて、三言遅れた速記者のような焦りをかき消すように僕は「何も」と答える。知ってるよ、それがあなたが望む答えじゃないことも、そしてあなたが欲しがる答えのフレーズも知ってるよ。そこを通れば簡単なことは知ってるんだけど通れない。だって簡単は困るから。二人のやり取りに簡単っていう言葉のイメージを持たすことほど愚かなことはないと思ってるんだ。
 でも深みにはまりすぎてもダメなのも知ってるんだ。息が詰まったら、いつでも水面に上がって来れるくらいの深さが丁度いい。息継ぎを忘れたマーメードになるのは避けたいな。程よい深さを保って二人で息継ぎしながら泳いで行こうよ。とりあえず海に例えておこうよ。広いから後でどうにでも言い訳できるじゃない。
 果てしない水平線を泳ぐ二人。はるかな島へ辿り着く二人。泳ぎ疲れたらプカプカ浮いて行方を決めよう。


 客の少ない喫茶店で「何を考えてるの?」ってあなたは僕に愚問する。

 僕は真顔で「実は僕は泳げないんだ。」



 Today's Favorite Song

   ASKA 『DAYS OF DREAM』


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