2012年04月06日(金) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)・57 |
「いらっしゃいませ──って、昨日の?」 出てきたのは昨日と同じ、わたしと同世代の女の子。 「こんにちは。さっそくお邪魔してます。今日も買わせてもらっていいですか」 味は昨日の一件でよく分かった。アルテニカさんがどういう了見で連れてきてくれたのかはわからないけどちょうどよかったかも。 「あれ? そっちにいるのは珍しい客だね」 どうやら隣の男の子のことを言ってるらしい。ニナちゃんたちの弁ではないけど、本当に外に出るのは珍しいらしい。 「アルテニカさんはわたしの付き添いなんです」 クレイアさんに今までの経緯をかいつまんで話す。ジャジャじいちゃんと施療院まで行ったこと。リオさんにもあったけど先生は不在だったこと。帰り道の途中で隣の彼にあったこと。 「アルテニカさんは──」 「ユータスでいいんじゃない?」 何度目かの姓呼びにクレイアさんが眉を潜めた。 「ここに買い物に来てくれるのだってもともとはニナちゃんなんだし。確か弟もいるんだよね。誰を言ってるのか紛らわしい」 なるほど。そういう経緯でこのお店を知っていたんだ。出不精と言われている彼がなぜこの店を知っているのかがよくわかった。 「じゃあ、ユータスさんと呼ばせてもらっても」 構わないですか? そう了解をとろうとして隣をみて。 「…………」 男の子は目を瞑ったまま動かない。
過去日記
2011年04月06日(水) 「クール系お題」その4 2010年04月06日(火) 委員長のゆううつ。5 2008年04月06日(日) サイト名あいうえお作文バトン です 2005年04月06日(水) まつけんさんば 2004年04月06日(火) SHFH11−5
|