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2001年08月13日(月) 創道

陶芸家としての私は伝統工芸作家という位置に居ます。しかし現代まで脈々と受け継がれてきた伝統技法も先駆者が居たからこそ誕生し、今まで続いてきたからこそ伝統と成り得たのです。確かに日本の焼き物の大変革期は桃山時代です。そこから学ぶ事柄は非常に膨大で多岐に渡っています。かつて私も山に入り、当時の窯跡を探し、法律を犯してまでも勝手に発掘し、陶片を持ち帰り焼き直してみたり、色々とやりました。しかし現代に於いて伝統工芸作家として活動する私にとって伝統をなぞるだけでは何の意味もありません。「自分が伝統の先駆者たれ」。そう思って作陶しています。しかしこれが非常に苦しい。でもそれを補って余りある楽しさがそこにはあります。折角新しい材料がどんどん開発されているなかで、そういったモノを活かさない手はありません。伝統はただ守るのではなく創っていくモノであると考えます。新しい道を切り拓く事程私の心を震わせる事はありません。


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