||〜*…clover…*〜||


There are all in one.


◆cloverに出てくる人々◇|*|◇エンピツ書きに48の質問◆


2014年03月12日(水) 祈り弦

「…生きてる?」
「……生きてる」

ため息一つ。
ああ、痛い。

そりゃ死ぬわけないよねなんて彼女が笑って、

「あんたはこれからもあたしを守るの。おk?」

ため息と、苦笑と。

「そんなん」、当たり前じゃないかと





彼女は世界を編んでいた

昔から

そして今も





右手に銃を
左手にナイフを


盾はいらない

攻撃は最大の防御だから。




「でもこれじゃ少し戦いにくいから」

この身を覆う鎧が欲しい。




「―もちろん」
拒否するわけ、ないじゃないか。





「あたしが世界を紡ぐから。あんたが世界を渡るの」
今までも、そして、これからも。



「名はまた、Kから初めよう」その方が慣れてるでしょ?なんて。






あたしの望みは唯一つ。
知りながら見ないふりをした。
知りながらそれを無視してきた。
知りながらそれを捨ててきた。

願いは他に託してきた。




「……知ってる。」だから、言わなくていい。



その背の傷が治るまでに。
きっと、今度こそ。

居場所を作ってみせるから。



その名の、願いを込めた音。
それはあまりにも綺麗すぎていて。



「そりゃ、当然。」あたしを誰だと思ってるのさと彼女は笑った。


最初から全部知っていた。
世界は常に幻想で、世界は常に現実で。


「だからあんたの仕事だって」
「――おい、さすがにそれは」嘘だろ?

「さあね。」
あたしの言葉はいつだって、8割ハッタリで2割が大嘘だからなんて


その謳い文句を最後に聴いたのはいつだっけ―




そんなことを考えながら。


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葉月れい [MAIL] [HOMEPAGE]