【読書記録】「恋のトビラ」 |
まず最初に著者のリストを見て、それぞれ違うジャンルで活躍してる作家さんを引っ張ってきたような印象を受けて奥付けを見て、初出がnon・noということで納得した本でした。 そんなわけで、若干の先入観を持ちながら読んだのですが、予想外の拾い物をした感じ。以下感想です。 ・嶽本野ばら 近年では、深田恭子さん主演で映画化された、あの作品のような作風が一部の女性の絶大な支持を持つ作家さんという認識だったのですが、読んでみると大正ロマンスのような雰囲気だった今回の掲載作品。思ったよりも読みづらさはなく、むしろ女性の心理にどきりとしました。 ・島本理生 鋭い痛みや切なさの表現がとてもきれいな島本さん。ナラタージュのヒットもあって、ここでのご登場ということでしょうか。相変わらずの作風なので、これ以上書くこともありません。 ・森絵都 児童小説の枠を飛び出した森絵都さんはどこに着地するのか。そう思いつつ最近はあまり読んでいなかったのですが、異色の着地地点と本の最後に収録されている意味に納得でした。ふふふと笑ってしまえる、そんな恋のトビラでした。
どの作家さんも短い中でもテーマに押されず、自分らしさを発揮しているので、一冊もよんだことないんだけど…!という方にも、ぜひお勧めしたいと思います。この本に載っている方は著作もそれなりにありますし、きっときっかけになるのではないでしょうか。NO.75■p132/集英社/08/05
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2008年12月20日(土)
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