【読書記録】長野まゆみ「改造版 少年アリス」

ストーリー:蜂蜜は、学校に忘れきた図鑑をすぐにとってくるよう兄に言われ、友達のアリスを誘って夜の学校へ赴く。無事に図鑑を手にした二人は、その後も雰囲気の違いを楽しみつつ探検するのだが、教室で不思議な授業が行われるのを見てしまう。逃げ遅れたアリスは”先生”につかまってしまい、ちょっと違う”彼ら”と一緒に授業を受けることになるが――。

まずは、面白かったです!ファンタジックだけど、ふわっと軽くて新鮮で、楽しくてはらはらする。
蜂蜜の子供っぽいところ…怖いけど「怖くなんていないんだ!」と虚勢を張る様子とか、蜂蜜兄弟のやりとりを想像してほほえましげに笑うアリスとか、そのコンビとかがこの上なくかわいらしいですv冒頭では蜂蜜の周囲による、蜂蜜=守られる存在というような雰囲気でしたが、半ばでは勇士が語られ、蜂蜜の活躍もあってアリスは元の世界に戻ってこられます。この蜂蜜の毅然とした心持ちと、失敗を恐れない態度にはいい意味でギャップを感じさせられました。本当に頼れるってこういうことだなあと。
造語もファンタジックな世界観を引き立て、文中で出てくる草木とともに解説ページがあるのもとても良心的でよかったと思いますvかわいらしい一冊です。
2009年02月10日(火)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン