【読書記録】三浦しをん「きみはポラリス」 |
少女漫画が好きな友達が面白いよ!といっていたので借りてきたのですが、しおんさん導入として手にとる本じゃなかったような感じがしました。まさかボーイズ方向で話が進むと思わなくて(何せ”純粋に少女漫画が好きな子”のお勧めだったので…)、さらにはいろいろ…いろいろで度肝を抜かれました。ちらほらアンソロジーで読んでいたけど、こういう作家さんだったかなぁと。でも、それぞれにぞぞっとするような鋭さが光っていて、きっとこれは!という一冊もあるのだろうなということもなんとなく想像してみたり。 中から一編あげると、「私たちがしたこと」がむむむー…と考えるところでした。普通、愛されているということは幸せいっぱいという方向でしかなくて、でもそれが個人の話となったら不安も付きまとって〜みたいな流れだと思うのですが、シチュエーション的な異常さ云々だけではなく、深淵を見ているような愛情そのものがそもそも恐ろしくなりました。何があっても愛してるなんて言葉で表現してもむなしいだけだけど、実際に目の当たりにしたらこわいだけじゃないかしら。愛されていないかもしれないという不安なんて生半可ではない感情が巧みだなぁと感じた一編。NO.23■p301/新潮社/07/05
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2009年09月11日(金)
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