|
|
2007年04月01日(日) ■ |
|
桜//あと妄想族の戯言、その続き。 |
|
職場の近くに桜並木があるんですが 満開とは行かないまでも、綺麗に花開いてました。 明日は久々に4人でお花見に出かける予定ですv 天気予報が微妙なんですけど…とにかくお出かけはします! せめて花見の時間帯だけでも晴れてくれればいんだけどね。
しかし…ものすごい軽装で出かける予定だったんですけど 雨が降るなら多少温かい格好して行った方がいいんでしょうか? …久々に長時間屋外に出るから(←不健康)困った困った。
そういえばまだ途中だったっけ、などと思い出したので 暇つぶしの駄文を放置していきます。 そしてまた続く…。
--<無題04:←だったっけ?>-------------
絞り出すようなケイの声がしたと思ったら 急に耳鳴りの様な音がして、右の耳朶がカッと熱くなった。 ジンジンと痛むそれに手をやると血に汚れている。 舌打ちの音すらも、右耳は正常に拾うことが出来ないようだった。
「おい!ショウ!!」
ケイの声で我に返ると、左耳が辛うじて足音を拾う。 後ろを追ってきていたはずの足音は大半が大きく迂回して、前方のケイよりも向こう側に集まりつつある。 耳鳴りを打ち消すように強く手のひらで抑えて、振り返らず利き手で背中に向けて一気に発砲する。 自動装填の銃が止まってしまうまで打ち続けると、一気にケイ目掛けて走った。
「っケイ!!」 振り返る時の様子と、絞り出すような声の理由が、間近で見る程よく分る。 後ろ手に縛られている手首と、無残にも床に打ちつけられた足以外には外傷はない。 けれど 今は乾いてしまっていても、床に夥しく拡がった血痕がそのダメージを物語っていて、ショウは唇を噛む。 「……泣くなよ。」 眉間にしわを寄せて、片眉を上げて覗き込むような仕草で、ケイが弱弱しく微笑う。 「泣いてねぇ。」 カッとなってケイの腕を無理やり引いて、新しいカートリッジを放り込んだ銃で拘束具を打ち抜く。 ふん、と鼻息も荒く睨んだショウに「ガキ。」とまたケイが笑う。
こんな時になぜケイは笑いかけるんだろう。 血の気のない死人の顔色に拍車をかけている今の状況で、なんで? 表面上子供扱いされる事よりも、いつものスタイルを通すことで不安にさせない様にという、その気使いのほうがツライ。 俺だってもう子供じゃないのに。 守られているばかりのガキじゃないのに。
急に黙り込んで、気もそぞろに背中からもう一丁の銃を抜くショウ。 「おい、どした?」 自由になった手首をさするようにしながら、ケイが覗き込んだ瞬間だった。 「いってぇ…」 地面に押し付けるように、ショウがケイを倒し覆いかぶさる。 複数の銃声がして天井が砕けて落ちてくる。 砂埃と石粒と大小様々な瓦礫が音を立てて勢いよく崩れる。
突然、打ち付けられ放り出したままの足に、焼けるような痛み。 肉の焼ける臭いが鼻を突いた。 地上では朝日が煌々と輝き始めた時間だった。
|
|