浅間日記

2004年12月04日(土) 売った覚えのないものを買い取られている話

個人情報保護法案というのは、その法律名の後ろに隠れてあまり知られていないけれど、
個人情報を企業の経営資産として活用する、という前提がある。
だから経済産業省も管轄省庁になっていて、ルールを守って活用しましょう、などと行政指導している。

Aが未だ赤ん坊だった頃には、書籍から干物に至るまで、
ネットで色々なものを調達した。
実に便利だと思ったけれど、書籍ひとつ、干物ひとつ手に入れるために、
顔の見えない相手に氏名や住所やら年齢まで伝えなければならないことが
馬鹿馬鹿しくなって、よほどの場合以外は、やめてしまった。
商品が安かろうが何だろうが、その取引には自分の個人情報を買い取られる、というプロセスが潜んでいるからだ。

件の法律では、個人情報を他の営業に活用すること、グループ企業などで使いまわすことが、ちゃんと断ればやっていい、とされている。
だから、干物を買っただけなのに、マンションの営業リストに載る可能性だってある。

しかもこの法律では、一旦登録した情報を、当事者の依頼で抹消・変更する場合には、
そのための事務手数料を設定してよい、とされている。
利用してほしくないから消して下さい、という場合に、手数料をとられるんである。


自分の個人情報が、どこに登録されて、どういうリストで活用されているのかのトレーサビリティが確保できないのは、とても気持ちが悪い思いだ。
何が、個人情報「保護」法案なものか。

そのうち絶対に、こうして公然と流出してしまう一切の個人情報を
リセットする、「掃除屋」のような代行サービスができるに違いない。
できるものならば自分がそういう事業を手がけてみたいぐらいだ。


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