まだ蕾の方が多い花を買って 海へ行きました。 空は何となく雨を思わせる天気。 それでも零れ落ちてはいけないと 必死で耐えてるように雲の切れ間に 日差しが見え隠れする。 私はといえば、暗く冷えた部屋を思い出していた。 記憶は鮮明に蘇る。 私よりももっと悲しい人を思い出せば、 まぶたの痛みも当然の事。 呵責は耐えがたく、悲しみは繰り返す。 冷たい風に煽られながら、一歩一歩 踏みしめるように砂を蹴る。 頼りは掌から伝わるぬくもりだけ。 そのぬくもりを頼りに、明日も私は生きて行く。 胸のペンダントを握り締め、時々あなたを思い出し、 今日と同じ日を毎年心に刻みながら、 あなたの分もと、生きて行く。
|