月と散歩   )   
DiaryINDEXpastwill


2004年08月11日(水) 『名前をつけてやる』

ながなが続けてきた回想編も、いよいよ中盤!
(まだ、中盤…)

―――

4月。

2日。

仲間に、息子が生まれた。


まだまだバカやれると思っていたけど、僕らもそういう歳なのだ。


だけど、可能性の海は無限に広がっていて その果ては未だ知れない。


不思議と限界は感じなかった。
それどころか、いままで考えもしなかった『可能性』ってやつが
波のように押し寄せて、僕を「そこ」から否応なしに動かした。


ひとりが、バイクの免許を取るため教習所に通い出した。

ひとりが、結婚を決意した。

ひとりが、海外で挙式をあげた。


僕はいままで、「なにか」に遠慮をしていたようだ。
親なのか、社会なのか、自分自身か。
「なにか」が何なのか、結局わからなかったけど
そんなものに遠慮をする必要はないんだと気付かされた。


ふいに、パスポートを取ろうと思い立った。


いままで自分には関係ない、まだ早いと思っていたことが 一気にまわりで起こり始めた。
関係ないはずはなかったんだ。
すべては自分にも起こりえる『可能性』があった。

海外、ってのも「そんな、自分の国もよく知らないのに」なんて言い訳して考えることもしなかった。



「なにか」から解放された気分だった。

僕も、「それ」をやっていいんだ。
僕にもやれるんだ。


よくわからないチカラが湧いてくるのを 確かに感じた。


―――

5月。

…だからってわけじゃないけど、彼女とちょっと長い旅行に出掛けた。
国内だけど。

見たことないとこを見てやろう。
そんな挑戦的な気持ちだったかもしれない。


そういうときは、たいてい気も大きくなっている。


…で、やらかしてしまった。

旅行から帰ってきて、数日後。
彼女と一緒に同期(新婚)の家に向かう途中、一時停止無視で警察に呼び止められた。
…だけならまだよかったけど、そのとき僕は免停中だった…。

「ほんの出来心だったんです…!」

よくドラマなんかで耳にする台詞が僕の口から出たことに、
僕自身驚いたりした。
んで、本当に出来心だったから なお情けない。


旅行も電車を使った。
それまでの通勤もバスでがんばっていた。

まあ、ちょっとくらい大丈夫だろう。
そんな心の隙を警察は見逃してくれなかった。


「運が悪かったねぇ」 と警官。
それはそうかもしれないが、あんたが言うな!


『(2月の事故の)相手はお咎めなしなのに…アレは保険詐欺じゃないのか…!』

そんな自己中心的な怒りも、絶対的事実の前ではなんにもなりはしない。




免停中の無免許運転 ということで、2年間の免許取消というお裁きが下るのはそれから1ヵ月後。


折りしも、パスポートの受け渡しの日だった。


りべっとまん |MAILHomePage