「硝子の月」
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「参りましょう」 彼女を先頭に、一同はその扉をくぐる。ひやりとした空気が、建物の材質の違いを知らしめた。 「お待ち致しておりました。どうぞ、こちらへ」 出迎えたのは研究者らしい雰囲気の青年で、彼にに促されて建物の中を進む。 ティオとグレンはきょろきょろと辺りを見回す。取り立てて変わったところは無いように見えるが、呑まれてしまいそうな雰囲気を感じることも確かだった。 「お前達は落ち着きがないな」 呆れたような溜息と一緒にカサネが言い、漆黒のルリハヤブサが同意するように「ぴ」と鳴いた。
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