「硝子の月」の守護者だという伝説を持つルリハヤブサを肩に乗せたまま、少年は大きく目を見開いて、まるで息をすることさえ忘れているかのように見えた。雷に打たれたような、という表現はこんな時の為にあるのだろうと、青年は頭の片隅で思う。(何だ……? ただ驚いたにしては……) 奇妙な違和感を感じながら、その先は言葉にならない。収まりの悪さに、少年から視線を外せない。