日記でもなく、手紙でもなく
DiaryINDEXpastwill


2003年07月01日(火) キャサリン・ヘプバーン

 6/29午後(日本時間30日未明)に、米国でアカデミー主演女優賞を4回(現時点では最多)獲得した、キャサリン・ヘプバーンがコネチカットの自宅で亡くなったというニュースが流れていたことを知る。
 1907年5月12日生まれ、96歳。大往生である。

 <First Lady of Cinema>と言われ、演技派の右代表でもあった−−と書きながらも、実際に映画館でこの人の作品を見たのは、2回目のアカデミー賞を受賞した(招かれざる客/1967)年の翌年、3度目のアカデミー賞を獲得した<冬のライオン/68>と、もう少し若い時の作品であるデビッド・リーン監督作品である<旅情/1955>くらいしか記憶にはないのだが。

 それでも、<旅情>は一回こっきり見ただけなのだが、夏の長期休暇でヴェニスを訪れたハイ・ミス役の心の動きが見事に表現されていたことが、眩しいヴェニスの夏の風景と、美しいテーマ曲の「ヴェニスの夏の日」のメロディとともに、心に染み付いた映画だった。

 心理学博士の学位をもっていて、舞台でも活躍した俳優だったということも知る。
 なお、最初のアカデミー賞は、1933年の<勝利の朝>、最後(4回目)のアカデミー賞作品は、1981年の<黄昏>。後者は、ヘンリー・フォンダの遺作となった作品。
 なお、1933年の<若草物語>で、ジョー(四姉妹のうちの次女)の役を演じ、ベネチア映画祭最優秀女優賞も受賞している。


2003年06月30日(月) 鰻の産地

 明日はもう7月。
 7月の食べ物というと土用の鰻がすぐ連想されるのだが、ウナギの養殖というとすぐ浜名湖という図式が刷り込まれていたりする。
 しかし、今や浜名湖のある静岡県の養殖ウナギの生産量は全国第四位に止まっている。今日の日経に、県別養殖ウナギ生産構成比(2001年)が掲載されていて、第一位は何と鹿児島県。日本全国の養殖ウナギ生産量全体のうち38%を鹿児島が占め、愛知が34%、更に宮崎11%。静岡は1割にも満たない9%という数字になっている。

 実は、かなり以前から浜名湖というのは名目化していて、その反対に鹿児島鰻などは知られていなかった。それもそのはず、鹿児島県で養殖されたウナギは生きたまま出荷され、静岡/浜名湖で加工された後、<浜名湖の鰻>とラベリングして再出荷・販売されていた。ある意味で、鹿児島は浜名湖ブランドの下請けをやっていた、ということになる。
 ところが、食品表示偽装問題があちこちで発覚して問題になったが、昨年ウナギも産地を明示していく必要が出てきたということだ。鹿児島は鹿児島で、安価な中国産ウナギよりも<安全>を売らないと、生き延びることはできなくなってしまう。こうなると、『鹿児島鰻』もやはりブランディングが必要、ということになってくる。

 ところで、鹿児島県産ウナギのうち、大隈半島での養殖がその85%を占めるという。日本全国のウナギ養殖のうち、32%強、つまり全国の約3分の1が、大隈半島産のウナギ。安心・安全というのは確かに大事なことではあるが、それだけではなく(それを基本に置き)、鹿児島鰻として更にどのような付加価値をつけていくか、というのが勝負どころになる。<大隈半島>生産ということがその付加価値を高めるのであれば(例えばその自然環境や気候、土壌や水という風土そのものに由来する要素など)、そこから持ってくるという手はあるのだろうが。


2003年06月29日(日) トニー・ハッチ:3枚組CD

 池袋のオンステージ・ヤマノに寄る。

 "The Essential Tony Hatch Grooves Hits and Themes"(Castle Pulse/ PBXCD354/ C2003)が置かれている。3枚組CD、全60曲入りで2180円(ほとんど通常のCD1枚分の値段)。
 Pulseレーベルから出るCDは、その親レーベルのCastleの音源(旧PYE音源)の既発売CDからの再編集がほとんどで、かなり安い価格で登場する。このセットも、最近5〜6年の間に出てきた、ハッチのオーケストラによる録音や、ハッチの曲をとりあげた歌手の編集盤CDなどからの再編集盤。これくらい安いと、大半は持っていても、つい手が出てしまう。

 Disc 1: The Tony Hatch Orchestra and Sound / Disc 2: The Songs of Tony Hatch / Disc 3: By Themes という構成。この手のセットだと、解説のインレイは、曲目とアーチストくらいしか書かれていないことが大半なのだけれど、1枚目のCDのインレイには、ミック・パトリック&マルコム・ボゥムガートによるコメント(2003年4月付)が小さい文字で2ページ半、各ページ2段組で記載されている。
 1枚目のCDでは、ハッチ作曲のWhile the City Sleeps; I Know a Place; Beautiful in the Rain; Where Are You Now(この曲の出だしはまさにバカラック曲)などの他にも、他の作曲者の曲をとりあげハッチの編曲の面白さを味わえる曲、Music to Watch Girls by, バカラックのWives and Lovers, ドアーズのLight My Fire, フィフス・ディメンションのUp, up and away, ポップのLove Is Blue, レイのA Man and a Woman, ポルナレフのSoul Coaxing(ばら色の心)なども収録されている。
 2枚目は、少し前に出た2枚組CDの圧縮盤のようなもの。3枚目のテーマ集も大半がハッチ作曲のものだが、それらの間にベン・ケイシー、ペリー・メイスン、あるいはM*A*S*Hなどの曲が入っていたりする。

 他に見つけた盤としては、ジゼル・マッケンジー&ヘレン・オコンネル"Gisele & Helen, Helen & Gisele"(Vocalion=UK/CDLK4138/ C2002)。二人の珍しいデュエットを6曲とそれぞれがソロで歌った9曲を含む計24曲(録音は1951〜53年);"The Best of Victor Young & the Brundwick Studio Orchestra (1932-34)"(Collectors'Choice: SonyMusicCMG=US/ A70074/ C2003);Hildegard Knef & Bert Kaempfert "Knef Sings Kaempfert Swings"(Mercury=独/ 586760-2/ P2002)。
 最後の盤は、Knefの歌を既存のベルト・ケンプフェルト楽団の曲に重ねたもので、面白い企画だと思ったものの、実際に聞いてみると歌が下手くそで面白くない盤。


riviera70fm |MAIL