日記でもなく、手紙でもなく
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2003年07月27日(日) イタリア&フランスのポップスを扱うCD店:カーザビアンカ(高田馬場)

 金曜日に高田馬場のCDショップ、カーザビアンカの福田さんより、フランス盤が入荷していて、今回の目玉はニコル・クロワジールの4枚組セットだという。
 クロワジールといえば、映画<男と女>のメイン・テーマのスキャットが、有名すぎるくらいの歌手ではあるが、それ以外の曲というのは、(以前1枚か2枚ベスト盤が出たような記憶はあるが)なかなかまともに聴ける機会が少ない人の1人。

 最近は、福田さんが電話してくるよりも、そこの若いH氏から電話をもらうことが多かったので、ちょっと「おや?」、という感じもあったのだが。

 夕方店に着くと福田さんがいて、今回入荷のものの特徴を聞いて、取っておいてもらったクロワジール以外に、ジャクリーヌ・フランソワやダニエル・ダリューの1948〜52年頃に録音された編集盤、新しい録音でオススメの盤などを数枚ピックアップする。

 ヴァレンテの盤がVocalionと国内盤で出たという話などをして、ちょっと横の壁面を見ると、(この店の)営業権売却のお知らせが目に入る。
 ええ!?
 
 そのあたりのことを尋ねてみると、やはりご本人の目のことや、親御さんの介護のことなどで、いろいろあって....と。
 それで、誰か引き継いでやってもらえれば、嬉しいと思って、あまり期待してはいないのだけれど、とりあえず掲示している、という話。

 もうこの店、17年になるという。その初めの頃から知っているだけに、一瞬コトバも出ない。

 恐らく日本で、イタリアとフランスのポピュラー系CDを扱う店で、ここ以上の品揃えをしている店はない。外資系大型CD店の場合、新しいアーチストは別としても、80年代までに活躍していた人のCDになると、途端に少なくなってしまう。
 その意味で、比較的長くそのジャンルの音楽を聞き続けている人にとっての、この店の存在価値は大きい。

 こういうジャンルを絞った店だと、それなりの知識がないと、やっていくのはなかなか難しい。自分のことを考えても、好きな歌手のことは別としても、そのカテゴリー全般となると、とてもそれは難しいだろうことは良く分かる。
 趣味と仕事の分かれ目というのは、そのあたりのことだ。福田さんくらいの人を見つけ出すのは、まず無理だろうという気もする。

 何も連絡せず店を閉めるより、来てもらっている人には少しわかってもらってということで、年内いっぱいは続けたいとのこと。
 この店で、教えてもらった素晴らしい歌手は、本当に多い。

 目の話は、長く付き合っていた割には、実は初めて聞いて知った。やはり、そのへんの話を聞くと、なかなか辛いものがあることがよくわかる。

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 外へ出ると、昼間よりも空気の温度がかなり下がっている。


2003年07月26日(土) アンヘリカ・マリア

 土曜日だが9時くらいには起きる。昨日、テープが入って出なくなったVTRを直してもらったので、以前録画した番組を見る。
 ただ、どういうわけかなんとなく体がだるくて、寝転がって見ていたら、うとうとしてしまい、これはどうも睡眠が足りていないと思い、布団に入りなおしてぐっすりと寝る。

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 夕方近くから新宿まで出て、ディスク・ユニオン4Fとヴァージンを覗いてみる。

 ユニオンのほうには、BMGからアンヘリカ・マリアの25曲入りベスト盤が入荷していた。メキシコ(だったと思うが)のボレロ系歌手。今までにこの人のCDは見かけたことがなかった。

 ヴァージンのほうは、またまたセール中。輸入盤のかなりの店頭ストックのものが30%引きのシールが付いている。しょっちゅうセールをやっている感じがするが、今回はかなりおおがかり。

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 家に帰ってから、アンヘリカ・マリアのCDを聞く。1968〜88までの曲が収録されているが、やはりピークは70年代前半くらいまでに録音されたものが大半を占めている。90年代以降、ほとんど見かけなくなったはずだ。

 聞いてみると、マンサネーロの曲や(マンサネーロとのデュエットもあるし)、M.アレハンドロの曲、あるいはカンツォーネやブレルの<行かないで>などもスペイン語で歌っている。
 比較的ソフト・タッチで歌う人ではあるのだが、<行かないで>は情感を込め、結構しっかりと歌っていて、少し見直してしまう。考えてみれば、メキシコの歌手なら、(この人の場合あまり聞いたことはないが)ランチェラあたりも歌えないことはないのだろう。その雰囲気が、この<行かないで>に、ちょっと感じられて面白かった。

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 宮城北部で強い地震。午前0時13分と午後4時56分にそれぞれ最大震度6弱、午前7時13分には最大震度6強。震度3程度の余震は、それ以外にも起こっている。時間が経つと、やっと情報が整理されてきて、被害が大きくなるのはいつものこと。



2003年07月25日(金) スタン・ケントン<Lush Inerlude & The Kenton touch>

 昨日の会社の帰り道、銀座山野の2Fと3Fを覗いてみる。

 2Fのほうは、これというものがなく、3FのJazz VocalとBig Bandのコーナーを物色していたら、スタン・ケントンが弦楽器を加えて録音した(タイトル表記の)2種類のアルバムを収録したCDが入荷していたので購入。(Collectors' Choice Music/EMI-SpecialMarkets CCM-356-2/72435-81725-2-2)
 今日、それを聴いてみる。

 ケントン楽団のオリジナル・アルバムは、ぽつぽつCD化されてきてはいるものの、このストリングスを加えたアルバムは、なかなか登場してこなかった。Big Band好きの人だと、イージー・リスニングのように弦楽器を加えてやるなどというのは、邪道と映るに違いない代物なので、CDになって出てくるかどうか、あまり期待はしていなかったのだが。

 この弦楽器を加えたアルバムが、一部の人に待たれていた、たぶん一番大きな理由は、<Lush Interlude>のアルバム3曲目に入っている"Opus in Pastels"という曲だろう。
 現在は使われているかどうかわからないが、かつて夜少し遅めの(午後9時〜10時過ぎの)時間帯に、FENなどを聞いていると、この曲の出だしのラッシュ・ストリングスが、番組の切れ目などによくかかったものだ。

 この曲はいったい誰が演奏しているのか、本当に気になったのだが、それがあのジャズ・バンドのスタン・ケントンだと知って、結構驚いたことがある。
 キャピトルのオリジナル盤は、手に入れようもなかったが、70年代あたりには、弱小レーベルからストリングスを加えたケントンのLPアルバムが再発されていたこともあるらしい。

 コレクターズ・チョイスから再発されたこのCDは、2アルバムon2CDsのスタイルで、どうも時間的にぎりぎりCD1枚には収まらなかったようだ。オリジナル・アルバムが発売されたのは、どちらも1959年、ステレオ初期に出た盤。
 編曲はこの2枚ともPete Rugoloが担当。曲はやはり2枚とも大半がケントンやルゴロの作品。下手なムードものの楽団よりも、弦のセクションは立派で、しかも単に甘ったるい弦で終わることのない編曲をしているところがミソと言えるだろうか。

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 夕方から、かなり強い降りの雨。深夜になってやっと少し小降りになる。


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