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■ セリカの死
愛車セリカが津波にのまれて 死んだ。 私とモカの命とひきかえに。
後部をフェンスに乗り上げて 私とモカが車外に逃れ 玄関まで避難し 腰までくる海水につかって ドアをあけることができるまで 水が引くのを待っていたとき
ハザードとブレーキランプがついた。 私のまわりは なにもかもが海水にのまれて グレイ一色の中 真っ白なセリカの後部で 点滅する赤と黄色のランプが
まるで「さよなら」を言っているようだった。
水がひき 無残な姿をさらすセリカが かわいそうで でも 廃車にするためにトラックに乗せられたときには 悲しくて 地震以来 初めて声を出して 泣いた。
彼女は 本当にレディーだった。
私の最後の車 と思っていたのに。
ごめん そして ありがとう 命を助けてくれて。
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余震が続いている。
あまり大きいときは 非常用のバッグを持って モカと一緒に ドアの前で 「津波の心配はありません」という 市の放送が流れるのを待つ。
避難するのは 徒歩か自転車・・・・
2011年03月24日(木)
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