ことばのかけら
桜子



 雨を見ていた

雨を見ていた
雨を見ていた
窓を開けたら風吹きつけた

つめたいのなら もっとよかった

雨を見ていた
雨を見ていた
悲しくもなく嬉しくもなく

ただ降りしきる 雨を見ていた

雨を見ていた
雨を見ていた
生暖かい風に油断し

気付けば素足が冷え切っていた

雨を見ていた
外はもう夜
そっと窓閉め熱い紅茶を

ひとりでただ ただ 雨を見ていた

2003年11月02日(日)



 手と手と影と

泣いてしまおうか
感謝をしようか

出会いも沢山あるけれど
なんだか別れも多すぎる

手と手の温もり
離れた今も感じたままいようかな
それとも
目で追おうか
去っていった人の長い長い影
見えなくなるまで

月日は
まだ季節一巡り分
それなのに
繋いだ手が多すぎる
手放したものも多すぎて

切ないよ……

2003年10月21日(火)



 ぽかぽか

「寒くなったから、身体には気をつけてね」

風がつめたく
木の葉色づく季節

そんな一言の挨拶が 心温める



2003年10月17日(金)



 かんじんなきもち

伝えたい
かんじんなきもち

そんな気持ちに限って
……だからこそ
何とも言えない 表現なんて出来ない


嬉しいの

悲しいの

悔しいの

……愛してるの


ああ
そう そんな言葉に違いないんだけど
それ以上
それ以上なんだよ……

2003年10月16日(木)



 秋 最後の声

乾いた風に 秋を想った
訪れた新しい季節に浸っていたかった……のに

遅すぎる貴方の最後の声

季節を外し鳴く蝉に
恐らく人は苦笑いするだろう
涙が……出そうになる

追いかけても戻らない
戻れないよ…・・・
全ては移ろっていってしまった

尚も遠くで蝉がふりしぼるように鳴く
いつかフェードアウトしていくのも知らず

新しく生まれる風に また秋を想った
過ぎた声に耳を貸さずに……

2003年09月28日(日)



 最良の幸せ

この道を歩くよ
歩き続ける覚悟を決めたよ

踏みしめる事が怖くて
振り返り振り返り歩みを進めてた
何かを潰していそうな
罪悪感をともにして


恐れず選んだこの道
また貪欲に
周りを踏みつけ
なぎ倒して成り立った

だからこそ進み続けるよ
これが最良の幸せへと繋がるようにと祈って

2003年09月26日(金)



 よわっちい

そうね……
人なんて弱いね……

似たよで違う それぞれの重し抱えて
持ちきれなくなったら
スグ他人に預けちゃうんだ

時に相手の負担などかえりみず甘えきって……

けれども
そんな人が好き
泣くに泣けないでいるよりは
ずっと 素直

2003年09月25日(木)



 届けないエール

頑張るんだよ
きっと今
君は眠れず苦しんでる


でもね


そこから
きっと
未来に繋がる
優しさが生まれてるから


ひとつぶの涙に
百の想い出
ひとすじの涙に
百の光

2003年09月21日(日)



 あなたには秘密

切ない気持ちも
ドキドキした気持ちも通り越して
ただただ訪れる
この気持ちはなんだろう……

見えるもの全てが優しさにあふれた……

その正体に しばらくして気付いた
でも
貴方にだけは秘密

ずっと……

2003年09月19日(金)



 変わっていく…

見えなかった

知らないでいた

ここが心地いい場所なんだって

勝手に決めてしまっていた


ここにも

道があった


信じるものへのカタチが

またひとつ新しいものに変わっていく


不安はよぎるけれど

後悔するかしないかなんて

まだ この先にあることだから

歩かなくては 何もないから

2003年08月27日(水)
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