かるく
そう 軽く
力を抜いて
腕にひかれた5本の線
うっすらと滲んでくる赤い液体
こんな自分が嫌になる
もっと醜くなれば良い
だれも近づいてこないくらいに
皆好きということは 誰も好きではないということ
皆と一緒にいたいということは 特別な誰かがいないということ
まわりを傷付けてばかりいるのは 自分を傷付けられるのが嫌だから
はじめから気付いていた
気付かないふりをしていただけのこと
たとえば今あたしが何処かに行ってしまったとしても誰の心も乱さない
首を絞めたのは自分
もがいたところで何になる?
可笑しいくらいに自作自演 ピエロになりきれぬ自分に失笑
はじめからわかっていた
最初から気付いてた
愛しているの
柔らかなくちびるも
大きな肩も
少し敏感な耳と首も
気怠さを含んだ瞳も
誰も知ることの無い
あたしだけが知っているあなた。
誰も知ることの無い
あなただけにあたしを見せてあげる。
あなたに触れられるだけで
あたしは舞うことができるの
あなたに囁かれるだけで
あたしは光を放つことが出来る
誰も知らない
あたしをあなたに見せてあげる。
潤んだ瞳で見つめあうことが出来たら
熱くて甘いキスをしよう
いつしか空に溶けてしまいそうなくらいに 吐息が小さくなってきたなら
あなたの鋭い針でもって あたしの心を感じて頂戴
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