夕暮塔...夕暮

 

 

恋も暮れ果つ - 2001年11月05日(月)

失楽の 重きまどろみに 飽くなかれ その時われらの 恋も暮れ果つ


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我照らす火は - 2001年11月04日(日)

着々と 神無しの月は欠けゆけど 我照らす火は 衰えんなり


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貘を箱船に - 2001年11月02日(金)

箱船に 最後に乗せるというのなら 貘がいいなと 切なく笑った



いっそもう 貘の意のまま 終わろうか 喰らっておくれ 箱船の夢




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ここのところ毎週、金曜はへとへとになる。
ベーグルが食べたくて、でも地元で贔屓にしているパン屋さんには置いていないので、ターミナル駅のデパートの地下へ寄る。ベーカリーはいくつかあるだろうと思っていたのに、降り立ってみると1つしかない。しまった、読みが甘かっただろうか。別のデパートにすればよかった。今からもう他へ移動する体力がない。品揃え自体は豊富そうだけど、店の名前からしてフランス語だ。ちょっと嫌な予感がする。
結局ベーグルはなかったが、おいしそうなものはいくつかあったので買ってみる事に。オレンジピールの丸いパン、シナモンペーストが生地に巻き込まれた小さめの食パン、クロワッサンはアールグレイのと普通のと。
諦めきれなくて、地元でもう2つパン屋さんを覗くが、どちらにも置いていない。切ない。
スーパーで3つ袋に入って売られている、メーカーの工場生産のベーグルを、買おうかどうか大分迷って結局購入する。ああ、もう仕方がない。本当はあの手合いが、どうにも好きでないのだ。自分の中では、インスタントコーヒーとだいたい同じ扱いにしているのだと思う。余程の事がないと欲しくない。
さて、そんな風にしてようやく手に入れたこのベーグルは、温めて、サーモンと玉葱とクリームチーズでサンドに。


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白椿 - 2001年11月01日(木)

見上げれば 星のない夜に 白椿 愛しい人よ 手を差し出して


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夜の冷たい空気の中で微かな香りに気付いて振り仰ぐと、頭上に白い一重の椿が咲いていた。大木である。かろうじて手の届く枝をそっと引き寄せ、花の顔に唇を寄せる。こんな時隣にいてほしいと思うことは我が儘以外の何でもないかもしれないけれど、ただ正直に、てのひらの熱が恋しい。


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空が眩しい - 2001年10月31日(水)

ゆうべには 言い忘れたけど 今日はほら 満月なんだよ 空が眩しい



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靴を紛失してしまった。どういうことだろう。上着やカーディガンの類ならどこかで脱いで忘れてきたりしそうだけど、靴なんて。
そういえば、この間の旅行に行く時に、持って行こうとして袋か何かに詰めたような記憶がある。でも結局持って行かなくて、その後どうしたっけな。きっと家の中のどこかにあるのだろうけど、それにしても思い当たるところは全部探したのに。
秋冬向けの、ホーキンスのユニセックスなサボ。そんなに大切に扱っていたわけじゃないけど、華奢なヒールを履いた翌日や、ちょっと買い物に出かけたりする時に重宝していた。


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君の窓を - 2001年10月30日(火)

君の窓を いつかは開けてくれないか いつかが来るまで ここで待つから



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時間が解決してくれるものは、本当はとても、考えつく以上にとても多いのだと思う。
針が進むのを待ってやれない状況が、それに負けないくらいありふれているだけで。
私たちの暮らす世界は、忙しくて、世知辛くて、理不尽でいっぱいだ。
けれど非難だけを向けることはすまいと、いつからか私は決めたのだ。


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真珠を抱く天象儀 - 2001年10月29日(月)

紺碧の天象儀、一点の真珠色。眩しくて冷たい夜だ。思い出す人もいない。帰り着くはずの家からはどんどん遠くなるのに、距離に比例してこころは澄む。
  


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想い合っても孤独 - 2001年10月27日(土)

道はいつも二つあった どんなに深く 想い合っても孤独


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あげられるものなら、なんでも渡す。身を切ってでも。痛い思いくらいなんでもない。だけど今のあなたに要るのは、そんなものじゃないんだね。
私達が完全にべつべつの生き物だと、こんな風に寂しく思い知る日が来る事を、どうして一度も予期せずにいたのだろう。 


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生きている限り - 2001年10月26日(金)

疲れ果て 夢も見ぬ夜に 問うてみる 生きている限り 生きてゆくんでしょう


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自分の望む方に向かって生きている、そう知っていても、どうしようもなく疲弊する事だってある。命があるという事は、常に芯から精一杯に生きて行かねばならないということだろうか。夜に浸食される見知らぬ町並み、その中でひとり何かを見失う感覚。指針は今もわたしの中に生きている、それは確かなことなのだけど。


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雪の底にて - 2001年10月24日(水)

あおのいて 瞼の帳(とばり)を 下ろそうか つめたく深き 雪の底にて 


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