夕暮塔...夕暮

 

 

はたり波打つ - 2002年03月18日(月)

きみの目を 見上げれば寂しこの夜よ コーヒーの雫 はたり波打つ





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「キティちゃんに似てる」

…このひとをいつ眼科に連れて行こうかと、真剣に悩む。


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途切れんばかりの三日月の夜 - 2002年03月17日(日)

穏やかな春よ君へと降りそそげ 途切れんばかりの三日月の夜




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友人からの電話で目が覚めて、時計の指し示す時間に驚いてうまく声が出ない。今頃とっくに彼女と落ち合っている筈だったのに、一体どんなにぐっすり眠っていたのだろう。目覚まし時計は止めてあるけれど、かけらも記憶にない。
私の地元で食事して、カフェへの道を歩く。細い三日月がくるりと弧を描いている。隣にいる彼女が心安らかに再び働ける日は、いつ来るのだろう。心の調子を崩して仕事を辞めて、そろそろ1年になろうとしている。


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知らずにいたのに - 2002年03月16日(土)

別れ来た 道さえ振り返らなければ こんな痛みなど知らずにいたのに




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徹夜も二日続くときつい。こんな日に限って、気を抜く事を許されない会議ばかり続く。でもまっすぐには帰らない、今日は飲んで帰る約束をしてある。先週の金曜と同じ店、落ち着いた雰囲気の創作料理屋で語られる話題は明るいものばかりではないけれど、今夜ばかりはとにかく開放感でいっぱいだ。


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私に笑って - 2002年03月13日(水)

君の夢が未来で誰かを癒すでしょう その時ひそかに 私に笑って




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持ち帰りの仕事は明日の昼まで。少し腹立たしい、これでノーギャラなのは理不尽だ。関西出身の根明な同期が 「そんなん燃やしてしまい」 と笑う、そうしようかと大袈裟に賛同してみせて2人で笑いあう。
おいしいものを買って帰りたい気分。書類が重たいのを我慢してデパートの地下、マコーズでベーグルを3種、ほうれん草とチョコレートとプレーン、満願堂の芋きんつばを2つ。洋菓子売場は男性で混み合っている。あまり見ない年輩の男性も沢山いて少しもの珍しい。ああそうだ、明日はホワイトデー。
菜の花とさやえんどうで海鮮温サラダを作る、おろし柚子ポン酢をかけて頂く。食べない方の菜の花も欲しかったけれど荷物の多さに諦めた、明日か明後日あたり買ってきたいなと思う。家具屋さんで見てさんざん迷った四角いガラスの花入れ、やはり迎えに行ってしまおうか。あれに活けたらとても春らしくて素敵だろう。

メールの返事はすぐに届いた。長文の殆どは今の彼女の状況とシンガポールの生活について。暖かな国は極度の冷え性の彼女にとってはまあまあ都合がいいらしい。……そういえばラッフルズホテルは確かシンガポールにあるのではなかっただろうか。浅田次郎の小説、シェエラザードの単行本の美しい表紙を思い出す、あれは確かラッフルズだった筈。今でも時々ふと思い出すラストシーン、あの切ない別れの言葉。









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今年に入って一番驚いた事。 - 2002年03月12日(火)

大学の時の部の後輩から電話が来る、義理堅い子で毎年年賀状をくれる彼女。けれど電話は少し珍しい、何だろうと思っていると、「洋子さんが結婚して外国にいるって、知ってました!?」 「…ええ!?」 息が止まりそうな程驚いた。そんな、そんな筈は。…洋子とは部の同期だ。高校生の時からずっと付き合ってきた恋人と、彼女は大学四年間付き合い通して、睦まじさに一瞬の影が差す様子すらなかった。連絡を取らなくなって久しいが、今でも変わらなく付き合っているものと思っていたのに。後輩も昨日年賀状の返事にと届いた葉書で結婚を知ったという。「先輩なら知ってるかと思ったんですが……」 確かに私とは当時部内で一番仲が良かったから、彼女がそう考えても不思議はない。2人でいる時は笑ってばかりだったし、彼女は卒業後も時々メールをくれた。昨今の私が想像を遙かに超えて多忙かつ怠慢で、関係をつないでいなかったというだけの話だ。慌てて去年の受信メールフォルダから、アドレス変更の連絡のメールを探す。それに宛ててもう多分使われていないだろうと思いながら短いメールを書く、今のアドレスに転送される事を祈って。…メールはリターンしてこない、一体どこへ届いているんだろう。
程なくして携帯に入ったメールは京都の友達、「春から東京で働く事になったの、よろしくね」 またも驚かされる。今日はそんなことばかり。


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肌を斬るように - 2002年03月11日(月)

甘やかな時期などはとうに過ぎ去って 肌を斬るように向かい合っている





睡蓮の花に身をやつす精霊を真似て熱情の翳りを待とうか





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睡蓮のラテンネーム(学名)はnymphaea、精霊のニンフに響きが似ていると思って読み進めると、本当にそれに因んで付けられた名だと書いてある。知らなかった、確かに睡蓮は水の中に咲く花だけれども。
ニンファエア。「ウォーターリリー」と呼ばれるよりはずっといいかもしれない、ミステリアスで柔らかい印象。ドイツのおとぎ話では、水の精は人間がそばを通る時、その目を避ける為に一時睡蓮に姿を変えるという。回避は良策でないと解っているけれども、勇気がないと罵られてもそんな風にしてやり過ごしたい事もあるなと思う。







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春に酔いては - 2002年03月10日(日)

ああ君よ 触れなば堕ちん今ならば 春に酔いてはその肩に沿う





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陽光の日、住宅街を自転車で走り抜ければ風が春の匂いで頬を掠める。公園に足をのばすという手もあるけれど、今日は家にいようと思う。音楽もTVも無しで、ひっそり昨日買った本を読みたい。湯を沸かしている間に豆を挽いて、ゆっくりコーヒーを煎れる。お気に入りの深炒りの豆の香りが広がる部屋、片づけたばかりの室内に三月の光、傍らには未読の本を山積みに。ひとりきりの満ち足りた休日。


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この花の月に君と別れる - 2002年03月09日(土)

風のように 睦月如月過ぎゆきて この花の月に君と別れる





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手帳は4月始まりと決めている。取り置きをお願いしていたレフィルを受け取りに出かけただけなのに、気付くと本が7冊。ああ、お財布がすっかり軽くなってしまった。駅ビルの上層階、カルチャーセンターの手前で假屋崎省吾氏の展示会のパンフレットを見つけた。綺麗で楽しそう、これは行ってみようかな。お気に入りの洋服屋さんに立ち寄ると、薄地の裾周り軽やかなスカートに目がいく。この春の流行、ギャザーたっぷりの木綿のフレアスカート、かわいらしいけれど私にはいくらなんでも幼いだろうと思う。それにしても流行は不思議で愚かしい、こんな形のスカート、この間まで野暮ったいと馬鹿にして履かなかった女性ばかりだろうに。


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今に立つ - 2002年03月08日(金)

いくつもの夢を諦め今に立つ けれど幸せ 偽りなどなく





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すべてを手にした - 2002年03月07日(木)

「太陽のようにあなたが笑う時 何もかも捨てて すべてを手にした」





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しばらく見ていなかったドラマを観る、そういえば木曜だったか。私はテレビ番組の曜日構成をすぐに忘れてしまう。覚える気もあまりないのかもしれないが、時々自分に呆れる程にあっさり記憶から抜け落ちる。準主役級の若い女優、少し舌足らずな話し方、そういえば私はこのひとに顔が似ていると言われていた。可愛らしい顔立ちで辛辣な感想を述べる後輩は、何故かこんな時にだけ無闇に評が甘い。繰り返し言っていたあたりを考えると、おそらく本心で言っているのだろう。彼にだけは私はこういう風に見えているという事だ。認知のフィルターって恐ろしい、他の誰にもそんな事言われないのに。


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