夕暮塔...夕暮

 

 

君のいない日々に - 2002年08月07日(水)

君のいない日々に慣れるよりおそろしいものなど無いと知った8月



あなた無しの景色にも馴れてゆくんだね 現実はなんて残酷なんだろ





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駅前にオープンして間もないファミリーレストランのカウンター席、かなり広い、書き物をするのには最適だな、と思って少し嬉しくなる。硝子が厚いのか、高架が間近なのに電車の音も全くしない。ビルとマンションの間からのぞく西の空が、淡く暖色に染まりつつある。夕闇が近い、食事を摂る人が続々と訪れるチャイムを聞いて帰宅を決めた。読み進めている文庫本は佳境に差し掛かっているけれど、いたましくて読んでいられない。


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朝顔の花 - 2002年08月06日(火)

一輪の朝顔の花に似た人よ 夕立にひそか姿しおれて



夕立に ひそか打ちひしがれている 朝顔の花一輪のひと




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凪の日が - 2002年08月05日(月)

凪の日が来るまで隣におりましょう 共に痛み共に憂い涙して



この弱き 君にも嵐は訪れん どうか堪え忍べ凪の来るまで




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限りなく - 2002年08月04日(日)

限りなく ギアはローに近付いていて それでもあなたに会えるもうすぐ



その夢に 君のことばに焦がれてる 夏は眩しいだけじゃないけど




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初めて買った若い女性向けの雑誌、電車の中吊り広告が何となく目を引いたのだけど、今ひとつ期待はずれだったかもしれない。一番がっかりしたのはコスメのページで、明らかに化粧品会社の販売戦略に乗っ取った商品紹介のページになってしまっている。機能的なものを紹介するとうたっていながら、この夏の限定商品と新商品のみでの構成。これじゃどうやったって記事を信用する気にならない。女性誌って一般的にはこんなものなんだろうか。コスメに関しては、口コミの方が余程信用に足るのかもしれない。
少し腹立たしく読み進めていると、面白い記事を発見。ベトナムでは路上で蓮の花束が売っているらしい。…ああ、いいなあ、と素直に感動してしまう。日本で売っていたら、即座に買ってしまうだろう。硝子の浅い器の上で、二つ三つ水に浮かべたらもの凄くきれいで幸せだと思う。蓮の花のお茶というのも売っているようで、「昔は蓮の花咲く上の霧を集めてお茶を沸かしていた」と記述してある。凄い、そんなのって、本当だとしたらまるで仙人の世界だ。


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したたる緑葉 - 2002年08月03日(土)

烈日にしたたる緑葉かき分けて ぬるき土の上探す足跡



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天満たす - 2002年08月02日(金)

天満たす閃光と轟きを畏れ 我らこの空を神鳴りと云ふ



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日記を書くのはもの凄く久しぶりな気がする。エディタを開くかどうかに関わらず短歌は時々詠んでいる、本当に死にそうな日は丸1日忘れている事もあるけれど、電車に乗っている時や慣れた道を歩いている時、頭の中を巡るのは歌にするための言葉の束だ。駅までの道で決然と太陽を探すひまわりの花、ノウゼンカズラは日増しに色を濃くしている、今日買ったのはリンドウ、深い青、どの花入れに活けようかと思っているうちに何だか眠くなってしまった。明日は朝が早い。


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必要と - 2002年07月28日(日)

必要と言えば何もかも赦される そんなまぼろしを信じないでね



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花火の夜 - 2002年07月27日(土)

お酒の席、知人の奥様が私費出版した小説の感想を求められて、どう答えたものかと少し窮する。小説としては正直言ってつまらなかった、二度読む気にはならないし、本当は読んでいる途中から少し苦痛だった。文章そのものは決して悪くない、だけどあまりにテーマが明確に言語化されてしまっていて、説教をされているような気持ちになってしまうのだ。展開もややご都合で、人物描写が足らないから何故そうなるのか読者には理解できないし、何より主人公に魅力がないのが致命的だと思う。

知人達と別れて、薔薇色の雲の浮かぶ中を浅草へ向かう。隅田川の花火大会はブラウン管を通してしか見たことがなかったので、本当に楽しみにしていたのだけど、人の海で待ち合わせ場所に辿り着けず苦戦する。時間も遅すぎた、結局一人きりで、橋の上から最後のスターマインを眺める事になってしまった。携帯が何度目かに鳴り、私は半分やけになって通話ボタンを押す。
「花火、終わっちゃったよ?見た?」 「うん、見た」 「ひとりで?」 「…そう、一人で。橋の上で」 「会ったら、何て言っていじめようかなって思ってるとこ」と笑われて、私は「もう帰る事にする」と応戦してみる。


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白く濃き - 2002年07月26日(金)

白く濃き雲に誘われ炎天下 のびやかな背中思い出している



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しまった、日が完全に落ちるまでには起きようと思っていたのに。
時計は8時を指している。わたしはソファの上で慌てて綿毛布を剥ぎ取る、明日までにやらなければならない作業があるけれど、この状態では深夜にずれ込むのは確実だ。連日の暑さで体力が落ちているのかもしれない、帰宅するとやたらにぐったりしてしまって、仮眠をとる事が増えている。


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こんな夜 - 2002年07月25日(木)

こんな夜 見下ろす数多の明かりには ただひとり吾を知る人ぞなき



夏月夜 数多明かりを見下ろして ここにいる人を誰も知らない



夕空を端から満たす灰の雲 もう少し待って 今日は望月




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