日々是迷々之記
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2005年04月28日(木) 不作法な体質

明日からゴールデンウィークなので、今日で仕事は終わりだった。いつものように黙々とやるべきことをこなし、昼食は送別会で、小さなフレンチレストランへ行った。会社の交際費として処理されるようだ。その時、同じ歳の上司の女性から、帰る前にみんなに挨拶に回らんとあかんで、と言われた。

うーん、これが何とも苦手なんである。うちの事務所は100人弱の人たちが2つのフロアに別れて仕事をしている。そこに、ウスラ笑いを浮かべながら近づいて行き、「へへへ、短い間でしたけど、お世話になりました。えへへへへ。」みたいな挨拶を個人個人にする。今まで辞めていった人たちはみんなやっていたけれど、私はそういう儀礼的なのが苦手だ。

ということでメールで済ませることにした。わたくし事で、仕事の手を止めさせてまで、ご挨拶を差し上げるのは本意でないので…。と書いて送信したところ、一瞬で15人くらいの人から返信を頂いた。…、うーんなんだか私は不作法者ではないかい?これだけの人が気遣ってくれているのに、へへへと笑いながらトンズラしようとしているわけである。私は背中に脂汗をかきながら、やっぱり挨拶にまわった。小一時間かかったが。

みんな基本的に良い人たちばかりなんである。のどあめをあげたことを感謝してくれている人や、ファックスの使い方をアドバイスしたことを覚えていて感謝してくれる人もいる。いわゆる悪役である一番上の上司ですら、今日はがんばれと言わなかった。昨日まで「刺したろか。」というほど憎たらしかったが、何だか自分が恥ずかしい。

何かこう、わたしは引きずりやすい性格のようだ。誰かが何の気なしに言った一言をしつこく覚えている。そして憎悪したり、必要以上に喜んだりしている。これがいいことなのか悪いことなのかはよく分からないが、子供っぽいような気がする。

明日からは無職だ。写真の整理に家の整理、ホームページの更新というか作り直しにバイクツーリング。やることがいっぱいでわくわくする。まぁ、そのうちのいくつがちゃんとできるのかは不明だけれど。


2005年04月27日(水) 惜しまれながら去ってゆく

明日で仕事も終わりである。昨日の晩、結局3時までかかったが、全員の似顔絵を描いたカードを作った。これがまた喜んでもらえ、うれしかった。ポラロイド写真風に処理した桜の写真部分をデスクに飾ってくれている人もいる。

別のフロアに用事があって、書類を持ってゆくと、階段の踊り場で同じ派遣会社から来ている女子に声をかけられた。急に辞めるのがどうしても気になっていたらしい。私は、いつものように母親が倒れ、その関係で多忙な日々が続いており、居眠りやため息を咎められることが多々あり、上司の方から母親の方に専念したらどうかと勧められたからと答えた。

で、お給料はどうなんですかと聞かれた。うーん、いい質問である。契約自体は5月末まであるので、派遣先からの一方的な解雇なら働かなくても5月分の給料はもらえる。が、今回はどちらかといえばこちらに非があるので、まぁ無給やねん、と答えた。

すると彼女は、「えー、それっておかしくないですか?そんなん、しょうがないじゃないですか。」若いなぁ。私も普通にそう思うけど、それを口に出すのははばかられる。何も親が倒れたら皆がうつになるわけでも、睡眠薬や精神安定剤を必要とするわけでもないからだ。結局は自分の中の何か弱い部分が、親の突然の半身不随という引き金によって引かれたに過ぎない。

生きてゆくというのはこういうことなんだと最近思う。楽しいことばかりをつないで、いつも笑ってはいられない。暗くてはじっこのつかめないくらい大きな毛布を頭の上からかぶせられて、もがいている。そんなもがいている時間も自分の人生の一部だと認めなければならない。

もうすぐ4月が終わる。大阪では自転車に乗るのに一番心地よく感じる季節だ。しかし私は一度も自転車通勤できずに、この季節を終えようとしている。実家を引き払うのを決意してから、終業後に埃にまみれて実家の整理。家と会社と実家はそれぞれ離れているので自転車で行き来する気にはなれなかった。

季節は人を待たない。また来年って言いながらどっかへ行ってしまうのだ。


2005年04月26日(火) 似顔絵はむずかしい

さて、この会社で働くのもあと2日。ということで、今日はいつも一緒にランチを食べている面々に招かれ、近所のイタリアンレストランでパスタを食べた。昼休みは45分しかないので超特急である。

招かれたので、お金は払わないでよかった。一年ちょっと、楽しいランチタイムを過ごしたお礼を兼ねて、カードを渡すことにした。「サンキューカード」である。

帰り道にロフトに寄って、紺色の厚紙でできたカードと中に挟む白い紙、クラフト紙の封筒を購入。カードの表には桜の写真をポラロイド写真風にプリントアウトしたものを貼り付けた。中の紙には挨拶と似顔絵を描くことにした。

これが難しいんである。描くだけなら簡単で、それなりに似ている。が、似ていればいいってもんじゃなく、もらった本人が気に入ってもらわないとだめなんである。藤子先生の「まんが道」にも同じようなことが書いてあったが、まったくそのとおりで、いくら似ているからといって、目立つ部分を強調したような似顔絵はもらった人が嫌がる傾向にあると思う。

実際私も、鼻が丸くて眉毛が薄く、髪の毛は常時膨張している訳だが、そんなものをリアルに描いてもらっても嬉しくない。かといって、美人の絵をもらっても困ってしまう。似顔絵のそのへんのさじ加減が難しいのだ。

2時までかかって3人分描いたが、肩が凝ってきた。これから先が難しい。みんなおかっぱ風のヘアスタイルで、二人はメガネをかけている。これを的確に描きわけるのが難しい。(最初に描いた3人は、ショートヘア、ソバージュ風ロング、ストレートのセミロングと、髪型が分かりやすいのだ。)

マンガで髪型は重要である。あだち充先生のマンガはみんな顔が似ているが、髪型が微妙に違う。横分けだったり、ぼさついていたりしていて微妙な差がでているのだ。

しかしまぁ、そんな画力もないわけで、だんだん眠くなってきたし、挨拶と適当なイラスト(シンプソンズとか、あさりちゃんとか、パタリロとか見なくても描けるやつ。)でも描いてお茶を濁してしまおうかと思いだした。高校の卒業文集には全員の顔イラストを描いたはずだが、よくあんな40何人ぶんも描けたものだ。

ということでどないしようか悩んでいる。しかし眠い。


nao-zo |MAIL

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