日々是迷々之記
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土曜日はずうっと寝ていた。夕方起きだして一週間ぶりにバイクを出し、母親の病院に向かう。が、入院代金の支払いはできず。夕方5時までしか会計が開いていなかったのだ。私が病院に着いたのが5時5分。しょうがないので次回にする。
看護婦さんから要らない物を持って帰ってくれと言われた。紙おむつと尿取りパッド。前の病院では病院から支給されずに患者側が用意した物を使うようになっており、転院の際に荷物ごとこっちへ来たときに持ってきたものだ。最初は二人部屋だったので置く場所もあったのだが、今の3人部屋には置く場所がないとのこと。しょうがないので持って帰る。横で母親が入れ歯の入っていないくしゃくしゃの口で何か言っている。前の病院に変わったらまた使うから持って行くなということらしい。前の病院に帰るなんてことはありえないので、適当に流して病院を出る。紙おむつは隣の公園のくずかごに捨てた。バイクで持って帰れないし、持って帰っても使わないし。
少しも心が痛まない。ああ、うざいなと思うだけである。10人兄弟とかなら良かったと思う。それなら一人くらい親を無視しても別に構わないだろうし。
夕暮れの中バイク屋さんに寄って家に帰り、外食しにいく。駅の近所の飲み屋。安いし、食べ物も気がきいているのだが、常として若い人が多い。座敷に話し声がわんわんと反響して疲れてきた。隣の座敷のカップル未満?みたいな男女が思いっきり恋愛論を闘わせているのが痛い。追いかけるほうか、追いかけられるほうか、という話で、「うちは追いかけられる方やねん〜。」とか言っている女が、レーサーバックのタンクトップの下からブラジャーのヒモ丸出しで、サラミソーセージのような体をしていたので気分が悪くなった。
もしわたしが飲み屋を経営するとしたら、30歳未満、ヤンキーお断り。一人当たりテーブルチャージ1000円(1ドリンク付)くらいやるだろう。当然子供は入店禁止。すぐ潰れそうだ。
そこまでしなくても、だんなさん曰く、ソフトドリンクはウーロン茶だけ。ご飯物は極力少なくして、酒のあてみたいなもんしかない店にすれば、若い騒ぎたいだけの奴らや、家族連れは来にくくなるという。なるほど。
結局ビールを2杯だけ飲んで帰った。最近世間からのずれを感じる。人のたくさんいるところで耐えられるなぁと思えるのは、本屋とパソコン関連の店くらいで、日曜日のスーパーマーケットとか行くとムカムカして帰りたくなってしまう。何故か私の前には桃に指を突っ込む子供とか、キレたように子供を叱りつけるババアとかが出現するのだ。
何だかさえない休日だ。まぁ会社には子供産め産めおばさんとかいて鬱陶しいので、どこに行っても息苦しいわけだが。どっか行きたいなぁ。
先日、面倒だなぁと思いながら母親の入院している病院に行った。目的は入院代金の支払いである。が、ベッドサイドのテーブルに請求書がなかったので、母親に聞いたら奈良に住んでいるおばちゃんが払ってくれたと言った。私は、じゃあ、お礼言っておくわと言い病院を後にした。
その晩、奈良のおばちゃんに電話をした。入院代金を払ってもらってありがとうございます、で、なんぼでしたか?振り込みをしたいんですが、と言うと、「なんで?そんなん払ってへんで〜。」と言われた。どういうことなんだろうか。「そんなに現金持ち合わせてるわけないやんか。」と言われてしまった。確かに。
ということはもう一度支払いをしに病院まで行かなければならないのだ。バイクで片道1時間はかかるんだけど。めんどくさい。
おばちゃんは、「あんたのお母さん、また突拍子もないことを言ってたでー。」と報告してくれた。あーまたか。ボケが加速しているなぁと感じる。今回の母親のトンデモ発言は以下の通り。
・母親の腹違いの姉が小泉首相に抜擢され選挙に立候補した。
・今すぐTを呼んでほしい。(Tとは3年くらい前に亡くなった父親。母親とは20年前に離婚して音信不通だった。)
・Tが亡くなったというのは一族の作戦。ウソなので所在を確認して欲しい。
・家に帰れば東京のおばあちゃん(Tの母親。もう亡くなっているらしい。)が面倒を見てくれる。今すぐ帰りたい。
などなど。出てくる人物が皆、もめていた人物だったというのが興味深い。腹違いの姉とは財産争い。Tとは根本的に相性が悪く私が小学生の時は毎日のように流血の夫婦げんかをしていた。Tの母親は新興宗教にはまっており、変なものを我が家に売りつけたり、坊さんを勝手に呼んでお祓いしたりしていたので、母親は毛嫌いしていた記憶がある。
結局母親はこれらの人と仲良くしたかったんだろうか?老いて、体の自由が効かなくなり、ボケるというのは哀れなものだ。もっとも本人は何も分からず感情を垂れ流ししているだけなので、悲壮感も何もあったもんじゃないのだろうが。
私は自分の母親の事ながら、あまり可哀想とも思わない。今までやってきたことを考えればしょうがないような気がする。人に恩を売って見返りがないと文句を言ったり、お金の匂いがするほうにふらふら引き寄せられて行ったり、しょうもない情報を鵜呑みにして極端なまでに傾倒してみたり。そのたびに私と妹は右往左往していた。
「京大生と合コンできるから。」という理由で私が京都にある大学を志望していることを歓迎していたし、妹はプロゴルファー、将棋の棋士など「一発当たれば大きい」プロにならされそうになっていた。(もっともそんな経済力はないのだが。)あの人は、どこか他人を持ち駒、利用するものだと思っている傾向がある。
あんな生き方だけはしたくないと思う。利用する、される。だます、だまされる。そういう人間関係とは無縁の世界で生きていたい。心やすらかな人たちがいて、必要な物だけに囲まれて、淡々と生きる日常。
そんなものあるだろうか。
あー自分は気にしすぎな人なのだと改めて思った。会社にいまいち波長の合わない人がいる。関西風に言うと突っ込みがキツイのだ。身体、外見などプライベートな部分をネタに突っ込んでくる。「肥えてても血圧高いとは限らんからなー。」、「ダンナさんえらい年上やん。甘えたやろ?」、「子供おれへんうちが楽やで。しっかり貯めときや。うちみたいに3人もおったら…。」まぁそんな感じである。私はこういうネタが苦手だ。
しかも今までまわりにここまであからさまにこういうタイプの人はいなかったので、会話のピンポンが難しい。「はぁ。」「そうですねー。」「いや別に。」さすがに向こうも腹が立つみたいだ。相手Aさんは自分自身のことを腹を割って話すさばさばしたタイプだと思っているように感じる。
が、同じ職場で働く者から見れば、「物言いがきつくて、気分屋。」に尽きるらしい。うちのグループで一番おとなしいBさんが、腹立たしげに言っていたことがある。「さて帰ろうかと思ってバッグ持ってトイレ行ってん。そしたらAさんが、どばーん!と大きな音でトイレのドア開けて、個室のドアの向こうから、『Bさん!トイレはタイムカードを押してからにしてくださいね!』やて。むちゃくちゃ気ぃ悪いからほっといたってん。」だそうな。
うわ、Aさん、キョーレツ…。そんなことようやるよ。あんたは学級委員の小学生女子かっ!とわたしは激しくひいてしまったが、AさんとBさんは外面的には友好的に仕事をしている。ただ、一切雑談のようなことはしないように見受けられるが…。
それだけの気分の悪い出来事があっても普通に心をざわざわさせずに仕事のできるBさんを尊敬してしまう。まぁ、Bさんに限らず、職場の人は一度はAさんと一悶着あったようだったが。その中で私一人がどうしてもAさんに対して構えてしまう。特に仕事の指示をもらうのがAさんなんで物言いには気を遣ってしまう。「今手が空いてるんですけど」というと機嫌がいいときは、何か出してくれるが、機嫌が悪いと「いつも人に訊いてばかりじゃアカンで。進んで仕事やってもらわな。何のために来てもらってるのかわからんわ。」と来る。そこで、進んで納期の早い物で自分で進められるものがあったら、やり始める。すると、時として、「こっちはこっちでやってもらおうと思ってたことあるんだから、勝手な判断で動かないで!」と来たりする。
ほなどないせっちゅうねん!と言いそうになるが相手は元ヤンキー風43歳、元漫研33歳(笑)が勝てるわけないのでぐっとこらえてその仕事を元に戻す。
こないだあまりにむっとしたので、相手がひととおりまくしたてたあと、何も言わずに黙っていたら、「契約いつまで?○○日?ふぅん?」と言われた。これにはさすがに「クビ切りたかったら切れやヴォケ!」と言いそうになってしまった。後日この部を仕切っているCさん(60歳位)にそんなことがあったと話したら、「まぁ、あの子が言いそうなことや。気にしたらあかんで。あの子はなんも考えんとその場で物言うタイプやから。言うたらもう次は忘れてるで。その程度のもんや。」
我ながら小さな事で躓いていると思う。どっかに仕事だけやっとけばいい職場ってないだろうか。そんなことを思ってしまう今日この頃だ。
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