日々是迷々之記
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昨日の挽肉カレーの話を読んだ妹から、「あれはうちが貧乏だったからやねんなぁ。」というコメントを頂戴した。貧乏。貧乏とは何なのだろう。確かに裕福ではなかったが、本当に貧乏だったのだろうか。
貧乏というのは西原理恵子の「ぼくんち」に出てくるような、河原に吹けば飛ぶような掘っ立て小屋を立てて、「両手に持てるものだけ」を持って生きているような人たちのことを言うような気がする。10年前、我が家は3人のうち2人が収入を得ていた。そのうちの一人である私は家にお金を入れていたので、そんなに食えないほど貧しかったとは思えない。なんせ、10万円も入れていたわけで。
それで夕食代として500円しか渡さないのは単なる出し惜しみ、というか金の遣い方を知らないだけのような気がする。
私は結婚してから世間というモノを知った。カニ、伊勢エビ、てっちり(フグ)、ブルーチーズなどは結婚して初めて食べたのだ。実家にいたころは私が食事係だったので、自分で作ったモノしか食べない。芋の煮っころがし、わかめのみそ汁、挽肉の入ったオムレツ、れんこんのきんぴら。そんなものをずっと食べてきた。カニや伊勢エビをスーパーなどで見たことがなかった訳ではないが、「ふーん、甲殻類やな。」とか思うだけで買って食べようとは思わなかった。
というわけで、妹よ。うちは貧乏だったのではない。単に私のレパートリーが少なかっただけなのだ。どんどん外食をして色んなモノを食べておくれ。今からでも遅くはない。
で、今日の日記のタイトルの「ジャンボなにがし」だが、プロゴルファーのあの人のことである。ジャンボ青木か、ジャンボ尾崎かどっちか。私は運動音痴なので、このレベルのことが分からない。イーグルとかバーディとかロイヤルアルバトロスとか誰かに意味を訊いた気がするがもう忘れてしまった。
今日の日記、前置き長すぎである。
昨晩、「明日何食べたい?」と相方に訊いたら、「ビーフシチューとチーズとワイン」と答えた。「焼き魚とごはん」の方がコストが5分の1で済むねんけどな、と思いつつ。今日はシチューを作ることにした。ワインは買い置きがある。
肉屋に行き、角切りの牛肉を買う。100グラム200なんぼ。それを300グラム。次にスーパーに行き、チーズ、じゃがいも、タマネギ、弁当用の食材(シチューを弁当箱には入れられないからだ。)などなどを購入。全部で2000円ちょい。ママチャリで夕暮れの道をゆきながら、しみじみと昔のことを思い出していた。
実家にいたころは、母親と妹と3人暮らしだった。私が食事を作っていたのだが、母親に買い物に行くからお金ちょーだいと言うと、たいがい500円玉を渡された。そんな大昔の話ではない。10年くらい前の話だ。
買う物はたいがい、牛肉、豚肉ならこまぎれ、挽肉。鶏肉なら胸肉か手羽元。カレーやシチューでも角切り肉を使わず、細切れと挽肉を半分づつ入れて作っていた。確かにスープはよく出るのだが、固まりのものがじゃがいもくらいしか入っていない。で、翌日の弁当もカレーだった。まむしのうな重みたいに、弁当箱に1センチくらいのごはんを敷いて、そこにカレーを入れ、またごはんを1センチくらい敷くのだ。
こんな感じで500円で3人分の夕食と二人分の弁当を作っていたのだった。が、今はいかに贅沢をしていることか。たまに本当にこれでいいのかとすら思ってしまう。相方は普通の家庭にすくすくと育っているので、こまぎれ肉のカレーとか食べたことすらないらしい。なので、私がちょっとぜいたくなんじゃないの?と思うくらいで普通のようなのだ。
この金銭的感覚のギャップはいつか埋まるのだろうか。埋まらないまでもいなしてゆくことができればいいのだが。
キャセロールの中の角切り肉がまぶしい。(爆
旬というものがやはりあるのではないかと思ってしまった。例の派遣の件だが、あれから電話があって、いろいろと確認された。「お子さんのご予定は?」とかまあそんな感じ。これは結婚していて子供がいないと割と尋ねられる。
正直に予定はありませんと答えるわけだが、この手の質問には疑問を感じる。派遣でしかも3ヶ月契約でその都度更新とかなのに、妊娠しようが、子供を産もうが勝手ではないか。長く働いて欲しいと思うのならちゃんと社員を雇えばいいと思うのだが、経費節減とかいろいろ勝手な事情があるのだろう。
それもあって今回の話はナシになった。女子は20代が中心の職場だから、というのが理由。気を遣ってくれてありがとうと言うべきなんだろうか。
前々から感じていたことだが、誰もが知っているような企業で営業のサポートみたいな仕事は、割と未婚の男性社員の嫁さん候補みたいな感じで採用されることがあるようだ。大企業になると女子社員が結婚退職などでいなくなると、後を派遣で補うわけだが、社内には高学歴で仕事の鬼みたいな男性がごろごろいる。残業も多いからおのずと出会いの機会も少なくなるわけで、それに対する福利厚生じゃないけど、そんな感じで女子の派遣を雇ったりするわけだ。
こういうパターンで社員と結婚した派遣の同僚は何人かいた。まぁ、女子の方も割とこれを狙って大企業ばかりを希望して派遣されてきている子もいたが。需要と供給がうまく合致しているということだろう。
しかしこれも20代、しかも前半が勝負のようだ。この歳になるとわかることだが、若さはものすごい武器になる。アホでも若さゆえの未熟さととらえてもらうことができ、そういうのが好きな男性もいる。それを知って、計算してそうしている女子もたくさん見てきた。
というようなことにごく最近気が付きはじめ、微妙に惜しかったなぁと思う。私は若さゆえの未熟さを非常に恥じていたので、何だかちょっと暗めの若者時代を送ってきた。もっとこう、明るく生きれば別の人生もあったのかもしれないと思ったりする。特に仕事に関しては。
年上でものびのびと生きている女性を見ると、私もああなりたいと思う。コートニーラブとか中村うさぎまで行くと行き過ぎだが(でも好きだけど)、西原理恵子、こぐれひでこさんなんか、いい生き方してはるなぁと思う。
こんなふうに生き方のことを考えると、女はちょっと損な気がする。いろんな局面で決断を迫られるし、男より要領が必要なかんじだ。もし私が男なら、とにかく体を鍛え、理論を身につけ、どんな局面でも動じない自信を身につけた人間になりたい。小さなことには動じず、堂々と生きたいもんである。
ってこれはうちの相方そのものではないか。(爆 私は自分の理想と結婚したようである。幸か不幸か。
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