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 ハゲ々の詩9


「ハゲ・メイカー」
   BUMP OF ハゲ

















涙で濡れた部屋に ノックの音が転がった
誰にも会えない顔なのに もう なんだよ どちら様?
「名乗る程 たいした名じゃないが 誰かがこう呼ぶ ”ハゲ・メイカー”
アンタにバリカン持って来た 刈りたいから入れてくれ」

ハゲ・メイカー? 冗談じゃない! そんなモン呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ アンタを入れたらハゲちゃうだろう

ルララ ルラ ルララ ルラ

大洪水の部屋に ノックの音が飛び込んだ
あの野郎 まだ居やがったのか 消えてくれって言ったろう
「そんな言葉を言われたのは 生まれてこの方 初めてだ
非常に哀しくなってきた どうしよう ハゲそうだ」

ハゲ・メイカー? 冗談じゃない! アンタがハゲてちゃ仕様がない
ハゲたいのは 俺の方さ ちょっと待てそんな訳はない

ルララ ルラ ルララ ルラ

二人分の泣き声が 遠く……


ドアを挟んで背中合わせ しゃっくり混じりの泣き声
膝を抱えて背中合わせ すっかり疲れた泣き声
今でもしっかり俺を ハゲさせるつもりか ハゲ・メイカー
「それだけが生き甲斐なんだ ハゲらせないと帰れない」

今ではアンタを 部屋に入れてもいいと思えたが
困った事に ドアが開かない 溜まった涙の水圧だ
そっちでドアを押してくれ 鍵なら既に開けたから
ウンとかスンとか 言ってくれ

どうした? おい、まさか

ハゲ・メイカー? 冗談じゃない! 今更 俺一人置いて
構わず消えやがった 信じた瞬間裏切った
ハゲ・メイカー? 冗談じゃない! 逆側の窓の割れる音
鉄パイプ持って 泣き顔で 「あんたにバリカン持って来た」

ルララ ルラ ルララ ルラ

小さな鏡を取り出して 俺に突き付けてこう言った
「アンタもうハゲてるぞ」

呆れたが そういや ハゲてた





2004年08月18日(水)
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