つくづくといのち食む感なま白す
魚さそふ磯巾着は夢の色
遠のけば流水模様芝桜 (秩父市羊山公園の芝桜) 山藤の静かに房の絡みあう
宝生会月並能 2004,4,11
宝生能楽堂にて午後1時始
<右近 うこん> 鹿島の神職が北野右近の馬場の花をめでに訪れ、花見車の上臈と在原業平の歌をめぐって語り合う。上臈が月の夜神楽を待つようにと姿を消すと、夢に桜葉の神が姿を現し、神楽を奏して舞う。
途中から入りました。正面の後方席です。 お囃子が素敵でした。
狂言<茶壷> 田舎者が、土産に買ったお茶をすっぱに盗まれそうになります。目代が出て、裁きますが、すっぱが盗み聞きして同じように言うので、どちらの茶壷とも判りません。ならばと、目代が持っていってしまいます。
二重唱のような謡いが楽しい。面白かったです。
<桜川 さくらがわ> 九州日向国桜の馬場の桜子は、家の貧困を救うために自ら人買いに身を売り渡す。あまりの悲しみに心乱れる母親は娘を捜して旅に出、はたして三年後桜の名所桜川で再会して連れ立って故郷へ向かう。 常よりも春べになれば桜川 波の花こそ間なく寄すらめ(後撰集) さくら花ちりぬる風のなごりには 水なきそらに浪ぞたちける(古今集・八九)
桜づくしで、人気の演目だそうですが、どうにも眠い。 時々目を開けてみると、お囃子の方が鼓に唾をつけながら打っていました。乾燥しているのかな?
<20分の休憩> 外に出ましたら、自販機のそばでコーヒーを片手にお休みしている進叔父発見。「よお 来てたのかい」と、クッキーをかじりながら。いつも変わらず軽やかで楽しげな叔父です。
<国栖 くず> シテ 寺井 良雄 伯父大伴皇子から逃れ吉野に入った天武天皇を老夫婦が家に匿う。老人は占いで天皇の吉兆を予言し天皇を慰める。夜になると天女が現れ舞を舞い、これにひかれて吉野の神々や蔵王権現も現れて天武の御代の将来を祝福する。
寺井師は言葉がはっきりと聞き取れるし、大きく美しく 舞われると思います。 この能はストーリーが分り易い。追っ手の間狂言のやりとりや、 登場人物が多いこともあって、面白く観ました。
人質の3邦人解放される 2004,4,15
今月8日、イラクで日本人3人が拘束された。「サラヤ・ムジャヒディン」というグループより「3日以内に自衛隊の撤退を求める」メッセージ届く。
拘束されたのはフリーライター今井さん18歳、フリーカメラマン郡山さん32歳、ボランテイア高遠さん34歳。
<各党の対応>
■自民党「今の段階では自衛隊の撤退は問題外」 ◎福田官房長官「強い憤りを覚える。自衛隊が撤退する理由はない。 ◎川口外相「再発防止のために、プレス関係者を含む邦人に、可能 な限り早急にイラク国外に退避するよう、強く勧告する」 ◎小泉首相(9日)「無事救出に全力をあげる。いろいろ緊密に 連携し、事実確認をして、しかるべき国に協力を求め、日本で できることは最大限する」(自衛隊撤退について) 「ありませんね」
■民主党 ◎岡田幹事長「自衛隊派遣には反対してきたし、今のイラクの状況 を見れば、イラク特措法上も大きな疑義がある」としながらも 「犯人の要求を受けて撤退すると敵に塩を送ることになる。 今回の事件とは切り離して考える」 ◎鳩山前代表「3人の命を失ったら大変な事態だ。まずは自衛隊を 撤退させるべきだ。救出する方法があるならいいが、ない以上は 仕方がない」 ◎生方幸夫、岡島一正、小林千代美氏ら、自衛隊のイラクからの速 やかな撤退を求めるアピール文を発表した。同党の衆参議員27人 が署名したもので、 ◎小沢一郎代表代行や◎横路孝弘副代表も賛同(自衛隊撤退に)
■共産党と社民党は自衛隊の撤退を求める。
<8日から11日>
■家族と支援者ら9人が会見。 「なぜ、自衛隊撤退を選択肢から外したのか」 自衛隊撤退と首相面会求める (4/9) 国会周辺で反戦団体の抗議デモ。 弁護士会「自衛隊の撤退を求める声明を発表」 家族をカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」が取材。 また、新聞社の共同 インタビューに応じる。署名活動も盛ん。 家族、川口外相のビデオメッセージの一部削除か放映中止を 求める。(4/11)
■米政府が邦人3人の拘束場所の特定に積極的に関与し、安全確保を 最優先させるために日本政府と協力すると表明。 逢沢外務副大臣がアンマン着。現地対策本部立ち上げる(4/10) 川口外相は11日未明、ロイター通信などを通じて、犯行グループ に、3人の無事解放を訴えるビデオメッセージを出す。 メッセージは3人のイラクとのかかわりを紹介したうえで 「自衛隊もイラクの復興のために派遣されている」と説明する(4/11) アルジャジーラが「人質を24時間以内に解放すると決めた」 と報じる(11日未明) 首相「全員を保護するまで、最後まで気を抜かないできちんとやる ように」と指示
■民主党の菅代表が長野県松本市の党県連大会 「どうしても納得できないのは、小泉首相が家族に会おうとしない ことだ。小泉政治は冷たい政治だ」 ■首相は菅代表らと官邸で会談 「民主党が脅しに屈しないという共通認識を持っていることに 感謝する」(4/12) ■倉本さんは「家族にまったく会おうともしない小泉首相の姿勢は おかしい。3人の救出のため、もっともっと地元から声を上げて いくべきではないか」(4/12)
<待つ日々そして解放>
■政府対策本部の幹事会が首相官邸で始まる。 「事件の特殊性にかんがみ、取材には一切応じない」と申し合わせ。 川口外相から「日本で大きく報道されること自体が人質の『値段』 をつり上げることになるから、できるだけ発信をしない」 首相、記者団の質問に「申し上げられない」「分からない」を 繰り返した。 指導力不足の批判には、「批判する方いるようです けどね。全力を挙げて取り組んでいます」と語った。 (4/13)
■家族の自宅に嫌がらせ電話相次ぐ(4/13) 人質事件家族が特派員協会で会見「世界に迷惑と心配をかけた」 として謝罪。3人の救出のために世界のメディアに協力して欲しい と改めて訴え(4/14)
■邦人記者ら2人、バグダッド近郊で拉致の情報(4/15) ■4月15日、日本人3人、バグダッドで無事解放日本大使館に移る
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●自衛隊派遣についてはともかく、人質事件を受けての自衛隊 撤退拒否は当然。 一貫した姿勢の小泉さんは、タフな総理だ。 他のスタッフも同じ。素晴らしい。 事態の悪化している米国のやり方についても、今回の経験から、 方向の転換を働きかけることは出来ないものだろうか。 ●救うために必死の家族に嫌がらせなど、もってのほかだ。が、 3人を英雄視はするのはやめて・・と、思ったが、そんな心配は ないらしい。この向こう見ずともいえる若者たちには、かなり 厳しい目が向けられているようだ。 当然だ。
●イタリア人人質の一人が殺害される。テレビに映像を送ったり、 殺したり解放したり・・卑劣な行為だ。
4月25日 朝日新聞朝刊「三者三論 再考・イラク日本人拘束」の 明石康氏の論に賛成です。
事件の報道を見ていると、日本では「個人」と「社会」と「国家」 の関係が、やはり欧米的近代市民社会とは随分違うなぁと、 あらためて思った。 海外で活動する個人が事件に巻き込まれた場合、欧米では最初から 政府にお願いする形を取るのは一般的ではない。市民社会が前面に 出て、様々な救出活動をし、メデイアも市民社会の動きを追う(略) しかし、日本では残念ながら市民社会が十分に成長していない(略) また、日本のメデイア、特にテレビの国際報道の貧困さを改めて 感じた。NHKを含め国際ニュースがあまりに少ない。情緒的な報 道に流れて、センセーショナリズムに陥ってしまう。一点集中的な 国際報道ぶりは今の時代にふさわしくない。
○「情緒的な報道」ほんとうにそのように思います。 論理的ではない。「センセーショナリズム」の意味は 「人の興味・関心をあおるやり方。扇情主義」そのとおりだ。 ○昨日の番組では、都合良い意見を引き出した後、筑紫さんはあとは もにょもにょしてましたな。「ドイツでも、請求するそうです」 「でも、それは法律がある。日本でも始めからそういう法律がある ならばいいが、」というような事をつぶやいているようでしたが。 んんん!なんなんだ?
「冬のソナタ」 2004,4,24
去年の暮れ『私はややこしいドラマなんて好きじゃないわ。でも、どこがそんなに評判良いのかちょっと見てみようかな』と見始めて、すっかり夢中になってしまった韓国のドラマ。今度は総合テレビで放送、ということでまた楽しみに見ています。
ぺ・ヨンジュンさん来日時には「”微笑の貴公子”一目見たさに羽田空港に5千人もの”おばさまフアン”が殺到」だったそうです。(朝日新聞「ベストセラー快読」より)
同じコラムで岡崎武志さんという方が「読後すぐに、これは30年前の少女漫画だな、と感じた。(略)単純な話を主人公の妄想がややこしく、ややこしくしていく。少女時代に、「マーガレット」「少女フレンド」を読んだ女性が、いま『冬のソナタ』にハマるのは当然だ。」と書いていました。
ピュアな思いを懐かしむ、という気持ちもあるかもしれません。でも、それよりももっと、滲んでくるような思い。なんというのかな、こんなふうな愛をもつことができなかった・・というほろ苦い思い。この年代になったからこそわかる”大人の男性の”価値、かな。
大好きな作家 大原富枝さんもこう言っていた。 「人生というものが 多くの場合 悔いの積み重ねであるとしたら、その理由というか拠ってきたるところは 唯ひとつしかないと私は考えているのである。肉体の若さみずみずしさとともに精神の老年が同生できない、というこの哀しい一事に尽きると思うのである」 なのである。
「今夜、黙って北極星のネックレスを奥さんに贈りなさい」なんて言っている、ライターの岡崎武志さんにはわかんないだろうな。そんなことじゃないんだな。
国民年金について 2004,4,28
■国民年金について
国民年金は、働く世代が高齢者を支える仕組みで、この制度に 加入し保険料を納めていれば、生涯にわたって年金を受け取る ことができる制度。病気やけがで障害を持ったときにも支給さ れる。
しかし、年金受給者に対する生産年齢人口の減少、保険料の 未納や滞納の増加などにより、国民年金制度の見直しが求め られている。
■年金改革関連法案審議について
そこで、政府は年金制度改革法案を提出。 法案が通ると、国民の負担はこの先当分の間、毎年重くなり 続けるという。
これに反対していた民主、社民両党は、国会でピケを張り審議拒否 戦術。しかし、これでは国民の支持を得られない。民主、社民両党 は次に、未納閣僚批判という手段をとった。
攻めどころと見た民主党菅代表は強気に出たが、自身にも未加入の 期間があったと判明。かえって責任を追及される側に。 小泉内閣の7閣僚に国民年金保険料の未納・未加入の時期があった。 現行の年金制度が複雑であることを改めて見せる結果となった。
■今国会での成立が確実となった年金改革法案とは。
保険料固定方式 を導入。 2017年度までに、厚生年金の保険料率は現行の13・58% (対年収)から18・3%、 国民年金保険料は現行の 月1万3300円から1万6900円の水準に引き上げられ、 以後は固定される。 給付水準引き下げの具体的なやり方は、「マクロ経済スライド」。 年金財政は、制度に加入して保険料を払う人が減ったり、受給者の 平均余命が延びたりすると悪化する。こうした高齢化の動向を 年金額に反映させる仕組み。 ポイント制 の導入 払った保険料がポイントに換算され、しだいに蓄積される。 このポイントに「ポイント単価」という係数を掛けた金額が、 受給見込み額になる。
受給者の働く意欲への配慮 60歳代前半の場合、現行制度では賃金がどんなに低くても 厚生年金額が一律に2割減額されるが、この仕組みが廃止。
子育て中の人に対する支援措置 育児休業期間中の保険料免除期間を延長するほか、短時間勤務 で賃金が下がっても年金額が減らない制度を新設する。
子供のいない30歳未満の妻が夫を失った場合、遺族厚生年金の 支給を5年間で打ち切る。
サラリーマン世帯の専業主婦に救済措置 手続きを忘れていても申請すれば、空白期間解消。
年金分割 の導入 離婚した場合に夫の厚生年金の一部を妻名義に移すことが できるようにする
基礎年金の財源 全国民に共通する基礎年金の財源は、3分の2が加入者からの 保険料、残る3分の1が税(国庫負担)でまかなわれている。 →この税の割合を2009年度までかけて2分の1に引き上げる。
空洞化に歯止め 自営業者など(国民年金の第一号被保険者)の保険料納付率は、 2002年度に過去最悪の62・8%まで落ち込んだ。 厚生労働省はこうした制度の空洞化に歯止めをかけようと、 徴収対策を強化する。
***** ***** ***** ●保険料負担は10月から2017年度まで毎年少しずつ重くなる。 また上限を設け、その範囲内でまかなうので、給付額は徐々に下が ることとなる。 あまり期待できない額のようだ。でも、当てにせざるをえない。 ●現状のままでは、破綻は目に見えている。政府見通しからずれる 可能性はあるし、すでに修正する改善策もまとめられている案だが。 進まねばならない。 ●年金制度改革に反対している民主党、社民党は、本質的な質疑をせず に墓穴を掘る。 毎度のことながら。 年金資金運用基金のずさんな運用による、巨額の損失発生に対する 責任追及と、 解決策などもっと論議してほしかったのに。
●メデイアには「閣僚の年金未払い」は格好の獲物。さっそくボードを 持って巷に。
「とんでもないですねぇ」「あらーこの人も?!」と憤慨する方々を 拾い、「国民は怒ることによって政治を変えていける思います」と 視聴者に呼びかけた。 「自己責任自己責任と人質を非難していたが、自身の自己責任はどう なっているのだ」 ・・って ・・それとこれとはちがうじゃん。筑紫さん! 早く本議論に戻ってほしい。
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