永久という名の瞬間
2004年07月09日(金) 思考回路

 私の考えや意見は、その時思いつく限りの記憶と経験から情報を引きずり出して、一番ベターだと思われる方法を取り出す、という方法で出てきたもの。
 以前「コンピューターみたい」と評価されたのは、このやり方のことだった。

 他の皆がどうやって考えているのかがわからないので比較できないけれど、おそらく皆はそれを無意識に出来ていているのだと思う。
 しかし私はそれを顕在意識にもっていかないとできない。
 どうしてそう不器用なのかは、私にも良くわからない。
 思うに、太字にした思考回路はそれぞれ皆持っているだろう。しかし、ふつうの人はそれは必要なとき、自動でスイッチが入るようにできていて。
 私は自力でその回路に電源を入れなければならないので、その回路の存在を認識しているのだろうな。
 (…え、つまり私は多少ぽんこつ気味ってこと???笑)
 

 しかも私は、人間だから。いつも情報は欠けるし、統一性がない。
 「貴方の意見は?」と急に聞かれても、情報のストックがないと、あるいは当てはまる情報が潜在意識にいる状態だと、何にも判断できなくなる。
 後から情報が顕在意識に上ってきたときは悔しいし。
 本気で検索しても、何も情報がヒットしない場合は、自分が何を思っているのかわからなくなって、どうしようもなくなる。
 だから、コンピューターの精確さに憧れる。
 なにより外部記憶装置、欲しい。


 そして、際目付けに。
 そうしてたたき出された考えは、どうも他人からの借り物感がぬぐえない。
 私の知識の大部分は、本や授業で得たもので、経験は本当にほんの僅か。
 知識の源は大抵偉大な先人の残した遺産であり、私が苦労して手に入れたものではない。
 私が情報を取捨選択している段階ですでに私のオリジナルの思考といえるのだけれど、どうもそう思い切れない。
 そんなとき私は、自分はあまりにも真っ白なのではないかと愕然として、恐怖する。

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photo by 東雲