白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2001年12月24日(月) 寂しい人・カモン!(何故か命令形)

気が遠くなってしまうくらい昔

雪と氷に覆われた世界の果てで
目の醒めるような青い髪をした少女が
たった1人で暮らしていました

少女はいつも1人ぼっちでした
世界にはたくさんの村があったのに
他の人間とは、ちょっぴり姿が違っている少女を
住まわせてくれる村は1つもなくて
雪と氷に覆われた「世界の果て」だけが
少女が「いてもいい」場所だったのです

永い永い時間……
少女は雪と氷だけを見つめて暮らしました

いつ終わるとも知れない永い時間の中で
少女は1つの「願い」を持ちました

次に生まれてくる時は
世界を見渡せるような場所がいい
雪と氷の世界の果ては
とても綺麗な場所だけど
自分が1人ぼっちだってことを
感じすぎてしまうから
そう…私は星になりたい
1つところで暮らせない人や
旅をする人のよりどころになる
みんなが見上げる「目印の星」に

天に住む神様は少女の願いをお聞きになりました
1人ぼっちで暮らした少女を
憐れと思われたのでしょうか
ただの気まぐれだったのでしょうか
ある日少女は神様に呼ばれて天に昇り
そのまま星になりました

少女が星になった、ずっと、ずっと後……
世界は哀しみと苦悩に溢れるようになりました
嘆きが集まり風となり
嵐となって吹き荒れるようになったので

神様は自分の子供を世界に送り出しました
少しでも嘆きの嵐がおさまるようにと……
そして神様は、どうしたことか
少女の星を目印にすると決めたのだそうです

救世主が現れるのを知った偉い学者達は
目印の星を頼りにして救世主を探し出しました
救世主と呼ばれた神様の子供は
イエス・キリストという名前をもらって
その子の誕生日はクリスマスとよばれるようになりましたが
目印の星になった少女は
世界に名前さえ残すことはできませんでした

だけど……
今でも目印の星は輝いているのだそうです
数え切れないほどの星の中で
ひっそりと青い光をはなっている星が
あの少女の星なのだと……

今夜は「目印の星」を探してみようと思います
名前さえ残すことのできなかった
少女のことを想いながら……


**************************

パートナーのいない聖夜を過ごす腹いせに
ちょっと悪戯してみました。

パートナーと楽しい時間を過ごす人も
家族や友人と楽しい時間を過ごす人も
白蓮の腹いせに付き合わされて腰砕けになっちゃった人も

Mary Xmas!

素敵な1日をお過ごしくださいませ!


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