3月27日付けの日経プラスワンの「はやり白書」に 「ジョシカク」と題された特集記事があった。
キック、パンチ、関節技と競技によってルールは違うものの 数年前からジワジワと底辺を広げていた女子格闘技。 私などにはいまだに「女子格闘技」という感じなのだが、 若い女性たちにとっては「ジョシカク」という カタカナでトレンディーな競技らしい。
記事では、Girls Shock, スマックガール、日本女子ボクシング協会、 クロスセクションなどをとりあげながら 何が彼女たちを過激な格闘技へと駆り立てるのかを探っている。
玉川大学文学部の現役学生でGirls Shockに出場した妃口慧選手によると「厳しい練習に耐え、頑張った分だけ強くなり、 成長した自分、充実感が味わえる」とのこと。 また、格闘技に詳しいライター松本幸代氏は 「私にはできないから、私にもできるかもしれないへと、 女性の意識が変わった」と分析している。
松本氏によると、現在「プロの」ジョシカク選手は150人前後という。 40年以上の歴史を持つ女子プロレスの選手が100人前後であることと 比べると、ジョシカクの急激な成長ぶりが分かる。 しかも150人のプロ選手の下にはその何倍ものアマチュア競技者が 現在各地のジムや道場で練習しているそうで 競技として浸透しているといえるだろう。
プロというからには当然試合に出場することでギャラが支払われる わけだが、一体、どのくらいのギャラを彼女たちは手にするのか? 趣味としてジョシカクをやる女性がたくさんいてもいいけど プロを目指すからには 「自分の見せる過激な技」に対価を要求するのは当然だと思う。 プラスワンの記事にはなかったので調べてみた。 女子ボクシングの場合 「単純に○回戦×10000円」とのこと。 たとえば、4回戦出場なら40000円 6回戦なら60000円という計算。 これが男子ボクシングと比べて高いのか低いのか私にはわからないが 女子プロレスに比較するとびっくりするような高額ギャラではある。 女子プロレスの場合は一部の有名選手をのぞいて 1試合数千円というのが相場らしい。 (うわさで仕入れた情報で、証拠があるわけではない)
この差は女子プロレスと女子ボクシングの大会形式の違いによる所が 大きいだろうけれど、ともかくギャラの違いは歴然。 ギャラの違いは競技の勢いの違いと言ってしまっては暴論? (私がこう言うのは、女子プロ選手にも身体を張った分に見合うギャラが ちゃんと払われてほしいからなのだが)
ただ女子ボクサーの場合でも、ファイトマネーだけで生活できる レベルではない。 が、今後、ジョシカクの大会が増えていって 観戦人口も増えていけば、 本当の意味での「プロ」選手も誕生するだろう。(希望) これからますます楽しみな分野だ。
長い蛇足: この記事を読んだ後、ライカ選手の自伝の 「ファイティング ウーマン ライカ〜私は居場所を見つけたい」の 奥付を見て、上述の松本幸代さんがこの本の編集者であることを発見。 思わず「だからなんだ〜」と嘆息したのはホントの話。 神取忍自伝は、表面的なことしか語られていないので ファンとしてはOKを出しても、 「ノンフィクションの作品」としては平凡、評価していなかった。 その後、ライカ自伝が出た時、 この本がボクサーライカだけでなく ライカという「女性」に肉薄して(=聞きにくいとこまで 突っ込む(笑))いるのに感動した。 その時に編集者が女性だというのを見て(名前は覚えなかったけど)、 女性のライターに神取忍を書いてほしかったと思ったのだった。 その編集者が松本さんだったのだ。。。
(神取忍については、井田真木子さんの名著があります)
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