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■ 勧告3〜スポンサーに言いたい放題
翌日、早速、引き継ぎ部署と決められている人たち全員に集まってもらい、仕事の具体的な説明を始めた。 勿論、全くの素人に無理な実務である。 しかし、会社は方針として引継ぐことにしたのだ。 覚えてもらうしかない。 とりあえず、情報システム部出身の人がいたので彼をターゲットとして概略を説明してみたが、全員、顔色が悪くなっていた。 こんなに専門的でないと思っていたのだろう。 ザマーミロ! 「では、続きは明日に」 溜飲を下せた私だけは清々しく、他の一行は苦々しい顔で会議室を出たのだった。
部に戻って同じくリストラされる仲間に「こうしてやった」とワイワイ報告していると、私と二人三脚でこの一ヶ月近く現業を行ってきたスポンサーの一味であるIから電話が入った。 「あ、何々の件ですか、すみません、先ほどメールでご報告申し上げたのですが」 「そうじゃなくて・・・。ちょっとこっちで話さない?」 てめぇと話す気になれるか!だから今まで電話報告してたのにメールしかしなくなったんだヨ!わかってるだろ!! と思ったが、もう最後だし、コイツにも言いたいこと言ってやろうと思い直して、役員室に向かった。
Iは意図はしていないだろうが、またしてもあのリストラ部屋に私を連れ込んだ。 相手のペースに乗せられないために、先に口を開いてやる。 「正直、ここまで一緒にやってきたのにショックでした」 「騙してない、僕も知らなかったんだ。僕は××さんの業務は○○部が引継ぐのは知ってたけど、そこに××さんも行くものと思ってたんだから。ただ、僕もスポンサー側と言われればそうだ、それは謝る」 謝られてもねぇ〜〜〜 「騙されたってに怒ってるの?」 「い・い・え。 グレーと言われたことにです!」 「正直、××さんの部署はグレーなんだよね。 例えば、△△部なんて完全にクロなんだけどさ・・・」 「業務所管については納得しています。 そうじゃなくて、破綻するたった数ヶ月前に異動になったこの部署の所属だからクビなんて言われたんじゃたまったものじゃないって言ってるんです!」 「えっ?そうなの?!・・・前はどこにいたの?」 「□□部門です。でも、××部門が一番長いです」 「そうなんだ・・・」 ったく、やっぱり今いる部署というだけの判断で切りやがったな。 「経歴も見ないでグレーと言われたことに腹を立ててます」 「・・・」 「そもそもそ、私の現業は親会社と業者に丸投げで済むと思っていらっしゃいませんか?」 「ウン・・・」 ウンじゃねーよっっ 「私の業務がどれほど大変か、例えばこの報告書一枚出すのに業者に委託したらいくらかかるかわかっていらっしゃいますか?」 「ううん・・・」 それから、業務の難易度と専門性、また、丸投げするとスポンサーが決めている相手先の部門や業者のレベルが低く業務が現状でもボロボロになっているということを、はっきりと具体的に教えてやった。 今まで遠慮して言えなかったのだ。 この業界のこの部門をたった一人でこなしている会社などありはしない、自慢じゃないがその難易度がどれほどのものか専門の業者に確認してみろ、関連会社の誰某は仕事も知らないから遅いしどうにもならない、親会社の某部門も低いレベルの仕事しかしていない、その親会社である貴様のところのレベルもこうと見るがいかがか? 「そこについては弱いと思っていて、コンサル入れたんだよね〜。6割がたクリアできればいいと思って。で、直したのが今の状態」 「はっきり言って時代遅れなコンサルです。今では××ですから。 専門家が一人も会社側にいないからコンサル会社に膨大な費用ふんだくられてオシマイになるんです。御社と違ってこの会社はそんな無駄遣いできる状況にないわけですが、今後どうなさるおつもりですか?」 ぐぅの音も出ないほど徹底的に言ってやった。 「今一度、グループ全体でこの部門の業務の抜本的な見直しをなさられるべきだと思います。一人でいいですからプロを入れないと食われ放題ですよ」 もう完全に言いたい放題になってしまった。 でも、気分はすっきりした。 禍根は残さない。 いつも通りの自分だ、うん、気持ちがいい。
(勧告4 に続く)
2009年04月25日(土)
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