あたしと彼のこと
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妊婦のお友達が次々に出産してゆく。
お見舞いに行ったら、彼女達のお腹はすっかり小さくなっていた。
そうか、産んだんだなぁ。
そうか、もうお腹には居ないのか。
からっぽのお腹はちょっと寂しそうな感じがするけど 彼女の顔からはそんな哀愁は感じられない、むしろ誇らしい。
あぁ、私ももうすぐなんだ! お腹から子が出てゆく事を、初めて実感した気がした。
ひとりで二人分の命を身体に秘めているのは、本当に心の底からウキウキする。 有り難いような気持ちになる。なにかを始める時のドキドキに似てる。 すごく楽しみであり、心細くて希望に満ち足りた感じ。 そういうのが、身体じゅうに溢れてこぼれてくる。
あんまり長い間妊娠していた気がするので、これがいつまでも続くのかと 思っていたけど、違うのよね。
子にしてみれば、お腹にいるのはほんの少し。 そして、お腹にいるときも生まれてからも、二度と戻ってこない大切な 時間に違い無い。 そんな大切な時間がこれからやって来るのに寂しいなんて言ってられない。
嗚呼、でもちょっとね、やっぱり少し、寂しいんだよね(苦笑)
あまりにも妊婦が楽しくて幸せだからかな。
生まれたらもっと幸せになれるのかなぁ。
まだ分からないけど。そう願う日々。
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