オトナの恋愛考
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いつもこの時期は何かが変わる。
良いことも悪いことも。
ひろと出逢って彼此6年目を迎えた。 6年前の今頃初めて彼に出逢った。
春まだ浅い2月の連休の頃。今でも鮮明に覚えている。
待ち合わせ場所を間違えて私は迷子になった。 今いる場所がわからない。どうにかこうにか電話を掛けて ひろは私を探し出してくれた。約束の時間から一時間以上経っていた。
終電まで時間がなかった。1時間ほど予約した店で食事をして それから呆気なく別れて新幹線で帰途についた。
でもあれからひろは忘れられないひとになり 私の方から次の週にまた会いたいと伝えた。
あれから6年の歳月が過ぎて いつも逢えて当たり前だったひろが
この春、遠い場所へ行ってしまう。
今までよりももっとずっと遠い場所。
「いつ辞令がでたの」「今日内示があったんだよ」 「突然でびっくりした」「俺もだよ」 「いつまで」「3年かな」 「逢えなくなっちゃうね」「逢いに来てくれるかな」 「頻繁には行けない」「東京に戻った時は逢いに行くよ」 「その時は私から逢いに行く」
そんな会話を昨日の夜遅くにして電話を切った。 現実だとは受け入れられない自分がいた。
毎月、律儀に1時間以上かけて 私の住む街に逢いに来てくれていた 私のひろが遠くに行ってしまう。夢だったらどんなにか良いのに。
春はいつも何かを私に運んでくる。 良いことも悪いことも。
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