空虚。
しずく。



 何も語らぬ人々。

突き刺すような痛みは、
僅かな不快に変わり、少しだけ心を抉って、消える。
少し眉を寄せるだけでそれを受け流して、笑わずに笑みを浮かべる。

新たな境地に達したわけでも、術を覚えたわけでもなく、
逃れる為の防衛本能だろうか、とだけ位置づけて、
最早どうでもよくなったこれ、に息だけを、吐いた。

孤独である時間に、自分を見出しているのなら、
ずっと虚構の中にいたい。「私」など、見たくはない。
ここにいる限り、真実が眠り続けて、
それから逃れられないのならば、ずっと、見えないように。


…こんな言葉使いは、嫌いだ。
そこまで自分に理由を求めてなんになる。
何も得られぬくせに、何も生み出せぬくせに。

小難しい言葉で納得させるふりをして、馬鹿らしい。

2005年10月30日(日)
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