空虚。
しずく。



 染まる。

目を閉じるたび、視界が赤く染まる。
何もないはずなのに、血の匂いが漂って来る。
口の中に、血の味がこみ上げて、思わず口を押さえる。

自分の腕を鮮血が伝っていく。
かと思えば途切れている。いや、千切れている。
周りが白い。私の周りだけが赤い。血だまりの中に、いる。

痛みがない事が、気持ち悪い。
全身が血まみれになっている、そこかしこに切り傷がある。
なのに、痛みが全くない。とても、気持ち悪い。

身体が痙攣を起こす。口が勝手に声を漏らす。
ただ、丸まって、真っ赤な視界の中を耐える。
指を突っ込んで吐けば、少しはマシになるだろうか。
そう思うけれど、動く事が出来ない。
ただ、過ぎ去るのを待つ。他に何も出来ない。

ふつふつと、加虐心が湧く。物事が繋がらない。
綺麗に切り離された関係のない思いが唐突に浮かぶ。

食欲が失せてきた。せめて。夢を見ることなく、眠る事が出来れば。

2005年10月31日(月)
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