凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

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2015年03月16日(月) 笑い

芸人さんのバラエティ番組を見ると、どこが笑う所なのかまったく分からなくて愕然となる時が時々ある。

お笑い番組で、芸人さんが、彼女の弟さんが運転する車でスノボに行くメンバーに、彼女と芸人さんも同乗させてもらって、一緒にスキー場へ連れて行ってもらった話をしていた。

芸人さんは、「面倒くさいので」笑いのスイッチをオフにして、車中色々話しかけてくれる言葉に適当に返事して話が広がらないようにしていたそうだ。
その中で、弟さんの先輩がどんどん調子にのって「なんやお笑いってたいしたことないやん。俺の方がなんぼでも話おもろい風にまわせるで」と「調子にのって」車中盛り上げたそうな。
その盛り上げている様子が「だんじり祭りで踊っているかのように」絶好調で、とバカにした笑い。

その時点で、違和感を覚えていた。
なんだろう、この人?
彼女の弟さんのサークルだかなんだかの仲間に、好意で車に乗せてもらっているのに、弟さんの立場とか、彼女さんの立場とか考えると、車中ちょっとでもいい雰囲気に持っていってあげるのが普通じゃないんだろうか?
「なんやお前のねーちゃんの彼氏、芸人なのにちーっともおもろないやんか。期待して損した」なんて、後で弟さんが先輩や友達から言われる可能性とか考えないんだろうか?
しかも乗っけてもらっているのに。
相手が気を利かせて話を広げようときっかけをふっているのに、その好意をまったく無視で、初対面で緊張していたか、様子を見て遠慮していたかの先輩が、これじゃ道中気まずいままかも、と場を盛り上げようと頑張ってくれたかもしれないのを「調子にのって」って酷くない?

そうこうして、スキー場についてすべり始め、弟さん達がスノボで素晴らしいジャンプをするのを見ていたら、最後に先輩が変な飛び方をして、落下したらしい。
それも「上手い弟達と違ってものすごいへたくそな飛び方」だったと大笑いし、落下して動かない事で大笑いしている。

だって自分は初心者で上級者のジャンプを見学していた立場でしょう?
飛ばない人が飛んだ人を笑うのってどうなの。
しかも落下して動けない人をみて更に笑うって。
怪我を心配しないの?

結果先輩は腰骨を折ったか打ったかわからないが、そのまま動けず病院へ行く事になり、車中で休んでいる事になったそうで。
「リフト券一日で買ったし、もうちょっと滑っていこう」と弟さん達が言ったから、そのまま芸人サンはスキーだかスノボだかを楽しんで、汗をかいてきたので上着を車に置きにいったそうだ。
車のドアを開けたとき、先輩は助手席に仰向けに寝て漫画を読んでいたそうだ。
「大丈夫ですか?」と声をかけたら、「オカリナみたいな聞いたこと無い声で“おぉ〜……“と答えた」と大笑い。
芸人さん皆が爆笑している。
一人が「声だすと骨に響いて痛いからや」とフォローしながら笑い転げている。

どうして痛みに耐えている人の様子をそんなに笑えるの?
今、目の前で落下して怪我をして、今から病院へ行こうとしているのに、「せっかくだからまだ滑ってから、その後病院にいこう」って先輩と弟さん達は相談したんだろう。
先輩は痛みを我慢して、皆が楽しんでいる間車の中で一人で待っているというのに。
ひょっとしたら「俺は大丈夫だから滑ってきたら」って先輩が気を遣ってくれたかもしれないのに。
どうして大笑いできるの。

ここで大笑いできるのは芸人さんだからなんだろうか。
それとも普通ここは誰もが笑うところなんだろうか。
笑えないで「怖い」と思ってしまった私はどこかおかしいんだろうか。

たとえば例の死刑の動画を見ても、彼らは笑うんだろうか。
目の前でけが人が出るのと、画面の向こうで殺される人の姿を見るのとは違うんだろうか。
私にとってはどちらもものすごく怖い事で、あって欲しくない事なんだけれど。
私はおかしいんだろうか。

笑いのツボが分からない。


2015年03月12日(木) 卒業式 (子供 日常)

去年までアイが着ていた制服がテレビのニュースに映っていた。
中学の卒業式だったらしい。
もう一年、まだ一年。でもなんだか遠い昔のような気もする。

小学校に続いてアイにとって苦痛でしかなかった中学生活。
卒業式の後も、記念撮影をしたりして盛り上がる子供たちの中に、アイもそれなりに紛れ込んではいたが、帰りは私と二人で帰った。

卒業式なんだから、友達と帰るもんじゃないの?

自分は、中学生活を振り返りながら、
違う道を進む友達との別れを惜しみながら、
いつまでもこの帰り道が続けばいいのに、と思いながら、
他愛もない話に笑ったりしながら、
帰った気がするんだけど。
最後に皆で遊ぼうって話になって、友達の家に集まってお菓子を持ち寄って遊んだ記憶が。

アイは私と並んで歩きながら、「この家、チョコレートケーキを連想しない?」と小さな集合住宅を指差して言う。
「あぁそうだね。絶妙の色あいだね。部活帰りの空腹時とかにここを通るのは辛かっただろうね」と言うと嬉しそうに笑いながら「そうでしょ?ずっと思ってて、誰かに話したかったんだ」と言う。

そんな些細な事すら、話す友達がいなかったのか。
三年間、この道を、いつも一人で歩いていたということか。

どんなにつまらない三年間だったのだろう。
不憫で不憫で、哀れで情けなくて可哀想で切なくて
卒業式とは違う意味で、親として泣きそうになった。

春休みは街中で、卒業したアイの同級生達が集まって遊んでいる姿をよく見かけた。
アイは一人ずっと家でネットとゲームをするだけだった。

あれから一年。

高校生になって、アイは初めて誕生日にプレゼントを貰って帰ってきた。
義務教育時代には無かった事。
「アイに会えて良かった!生まれてきてくれてありがとう!」などという熱烈なメッセージカードやかわいい手作りカードをいくつか貰ってきた。
「●先輩はコンビニデザート奢ってくれた」とか
教室では女子が全員でハッピバースディを歌ってくれたそうだ。
「このクラス大好き!」と嬉しそうにアイは話してくれた。

良かった。
第一志望の道ではなかったけれど、今の学校での生活は、とても楽しいものらしい。
「高校受験で失敗して」という言葉を耳にするけど、アイにとっては失敗ではなく、「友達」という、今まで欲してやまなかったものが手に入ったとても良い道になったようだ。

アイはしっかり、蒔かれた所で咲こうとしている。

頑張って





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