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2005年06月11日(土) |
オーケストラ演奏会2日目:ワーグナー、シベリウス、ラベル |
昨日よりはシベリウスもよく、なんとか無事終えることができました。今日はソリストのミスは少なかったとしても、逆にその分、音楽性に欠いていることが明らかになってしまっていたように感じました。普段はどんなに長い曲でもそれを演奏中に感じることはないのですが、シベリウスはなんと長かったことか。2楽章などは自分でも演奏しているというのに本当に途中で飽きてきてしまっていました。もしも、自分がその立場にたったならば、といろいろと考え、教訓を得た演奏会だったように思います。
2005年06月10日(金) |
オーケストラ演奏会初日:ワーグナー、シベリウス、ラベル |
今日は午後のクラスをサボってしまいました。 体調もいまひとつだったので、仕方がない…としましょう。
演奏会初日:
Wagner - Vorspiel und Liebestod von Tristan und Isolde Sibelius - Violin Concerto Intermission Ravel - Valses nobles et sentimentales
ワーグナーは特に問題なく演奏できたように思いますが、シベリウスにはちょっと驚きました。緊張のためにソリストが震えてしまっていて、いろいろなミスがありました。以前に日本でとても有名な日本人の女性ソリストでチャイコフスキーか何かを演奏会で聞いた覚えがありましたが、そのときにもかなりミスのある演奏に遭遇しました。例えば、世界をまたにかけての演奏旅行のためにお疲れだったとか、そんな理由がきっとあったに違いありませんし、そのように有名な方ですら、あのようになってしまうのですから、まだ学生の彼女のことなので、ある程度は仕方がなかったのかとも思います。けれども、音楽がなんとも混沌としていて、もう止まってしまいそうなくらいでしたので、オーケストラの中で演奏するほうとしても、心配しました。ラベルは終わり方がいまひとつで、聴衆の拍手がかなり遅れておりました。(笑)
2005年06月04日(土) |
恐ろしいほど何も伝わってこない演奏 |
そういえば、昨日のクラスで今回の演奏会で独奏をするKさんが演目のシベリウスを演奏しました。傷のない演奏。でも、本人が緊張していたのもあってか、とても居心地の悪い印象を受けました。こちらまで緊張が伝わってきて、苦しくなるような。そしてそれ以上に、きちんと弾いているけれども何も伝わってこない。恐ろしいくらいに何も伝わってこない。こういう演奏に触れたのは初めてのような…とにかく私はただ時間が過ぎるのを待つのみでした。
正直なところ、ここまで何も伝わってこない演奏は珍しいようにも思います。自己満足に終わっていようと、演奏に強い癖があったとしても、弾き手の意図するところがたいていにおいてはなんらか見えるものなのですが…。ある意味でとてもショッキングでした。
楽器を弾くことだけしか考えていない。きっと彼女はそういうところにあるのでしょう。正しい音程で、書かれている音をとにかくクリーンに弾いていく。それは確かに大切なことですが…。彼女はこれからも彼女の道を行くでしょうが、その道は私には決して通ることのできない道。音楽をコミュニケーションの手段としてとらえている私にとってはありえない、恐ろしい演奏でした。
私がこちらに来てから巡り会った師たち。CカルテットのMr.C、P交響楽団のMr.K、そしてもちろん私がずっと師事しているB先生。みなさん、口をそろえて言うことは「音を弾くのではなく音楽を弾け」ということ。そして私はそういう言葉に何度となく共感し、Inspireされてきました。
何をもって正しいとするか、というよりは、やはり自分が何を目指したいか、ということになるのでしょう。昨日の彼女の正しい演奏はもちろん楽器の演奏として評価のできるものでした。けれども、私にとって、あれは音楽ではありません。私はそんな演奏よりも、たとえ多少の傷があったとしても、何かを感じられる演奏を聴きたい、弾き手の意図するところが少しでもみえる演奏が聴きたい、と心から思いました。
2005年06月03日(金) |
クラス内演奏:エクサープツ(シュトラウス、メンデルスゾーン、プロコフィエフ)+ベートーベン |
今週はかなりの練習をしてしまっているため、疲れも溜まってきているのか、オーディション前の緊張が強く感じられています。
火曜日にオーディションを受けるオーケストラのコンサートマスターの方にレッスンをしていただけることになったのはよかったのですが、やはりオーディションの直前。その時に学んだことをできるようにしたいと思うと、かなりの練習が必要でした。フィンガリングなど、正しく演奏する上でとても助けになる情報なのですが、こういうことを直前に変更するのには骨が折れます。
今日はそれが実践的に生かせるかどうかを試すのに最良の日。けれども、ある程度の疲労の蓄積とストレスからあまり意欲がなく、筋肉もどこかかたくなっており、あまりComfortableな状態ではありませんでした。
そんな状態ならば、とにかく無理をしないこと、Forceしないこと、と思い、まずはベートーベンの協奏曲から。少しこじんまりとしているだろうな、とは思いましたが、腕のことを考えても、自分がリラックスするためにも、ある程度よいものをPresentする必要があったので、その判断は正しかったと思います。そして、シュトラウス、メンデルスゾーン、プロコフィエフを弾いてきました。プロコの「チボーの死」は私にとってはちょっと危険な香り(笑)。昨日のレッスンでは弾けるはずだったものが、少し調子が狂い始めていて、上手くいきませんでした。自分でもショックでしたし、驚いて、昨日はとにかくスロープラクティスを繰り返しました。今日は少し速く弾いてみようかとも思いましたが、今の私にとっては少しくらいゆっくりでも、きちんと止まらずに弾くことが出来た、という自信のようなものを感じるためにもUnder Speedで弾き、きちんと通すことができました。シュトラウスでは変更したフィンガリングがまだ自分のものになっていないところがありましたが、それ以外は私にしては良い出来だったと思います。先生も他の学生もとてもよかったと言ってくださって、少しほっとしました。
夕方は生徒たちを教えて、今夜はもうゆっくりすることにしました。腕の調子も心配ですし、なによりもやはり疲れていると精神的にゆとりがなくなってしまうような気がしているからです。先生にも「オーディションのためにあなたは本当によくがんばりましたね。何も心配せずにそのまま弾いていらっしゃい。」というお言葉を頂き、やるだけのことはやった、そんな気がしています。明日、あさってと無理なく練習し、いざ出陣です。(笑)
2005年06月02日(木) |
できるものができなくなったら |
レッスン日。10時半からだったので、9時頃には大学着し、ウォームアップ件練習をしてからむかいました。今日はエクサープツ(プロコ)とベートーベンの協奏曲をみて頂きました。ショックだったのはプロコの「チボーの死」がうまく弾けなかったこと。これまで練習してきて、ずっと上向きだったので、オーディションには余裕をもって間に合うだろうと計算していたのですが、ここで予想外の展開が。右手左手のコーディネーションもなにもかも…何かが、タイミングが少しづつ狂い始めているのです。ベートーベンもとにかくEVENに弾くことを考えるようにアドバイスを受けました。レッスン中にそうしてみて、そのときには先生にそれでよいと言っていただけたのですが、実は左手に無理がかかっていて、レッスンの後、久しぶりに腕に痛みが戻ってきてしまいました。私自身、レッスン中に、このままでは危ないな…と感じていたのですが、案の定でした。
昨日もうすでに指揮者の先生にメールをお送りしてオーケストラはお休みするつもりでいましたが、お休みして練習をするつもりだったのが、お休みして腕を休めなければならなくなってしまいました。
帰宅後すぐにアイスで冷やし、かなり疲れていたので、お昼寝もしました。夜には腕の痛みがとれていたので、練習に戻りました。「チボーの死」はもうスロープラクティスあるのみです。こういうときこそ焦らずにきちんとした基盤を築きなおさなければなりません。
練習を終えたのが真夜中近く。今日はもういい、ここまで。と思える自分がいたので、割にすっきりと終えることができました。オーケストラをお休みしたので、リハーサルがどんな風に行われたのか、遅かったのですが、友人のNちゃんに電話をしてみました。そしてそのまま2時半までいろいろなことを話し込んでしまいました…
2005年06月01日(水) |
「直す時間、あるでしょ?」 |
レッスン日。今日は12時からなので、10時頃学校着。先生には昨日のレッスンがどんな風に行われたのか、何を学んだのかをご報告しました。そして、スピカートなど技術的なこと、Mr.KがSuggestしてくださったことで、まだ自分が上手くできないことに関して、もう少し具体的な提案を頂きました。変更するべき弓使いやフィンガリングがいくつかあるところ、私自身はもう変更せずにオーディションに向かってしまおうと思っていたのですが、今日、先生に「直す時間、あるでしょ」なんて言われてしまって、あ、やっぱり直すべきなのかしら…と考え直し、帰宅後はせっせと練習に追われていました。
2005年05月31日(火) |
プロのコンサートマスターのレッスン |
オーディションを受けるオーケストラのコンサートマスターのMr.Kのレッスン日。これまでにできるだけの準備した、という気持ちで、大きな緊張もなく、そのオーケストラのホームシアターとでもいいましょうか、PACという大きなホールのバックステージで待ち合わせ。思ったよりも時間がかかり、少しだけ遅れてしまったところ、K氏は先に来て玄関前で待っていてくださり、ちょっと申し訳ない気持ちになりました。でも、気持ちよく私の名前を呼んで迎えてくださり、嬉しく思いました。
PACのバックステージエリアがどんな様子なのかなんだか興味津々で私はついきょろきょろしてしまいました。通路に大きな木箱がたくさん並んでいるのを見て、私が「わ〜」と声をあげると「今日はロシアのバレエ団の公演があるんですよ」とK氏。「ではMr.Kも今日は演奏されるんですか?」「やんないよ。彼らはテープで踊るんだ」「Are You Sericous?」「I Know…」そんな会話を交わしながら、男性控え室へ。「Mr.Kはいつでもこのお部屋がつかえるんですか?」「まあ、誰もいなければね、コンサートマスターの権限ってやつかな」と私も全く緊張せずに、普通にいろいろとお話させていただきました。
レッスンはまずモーツアルトから、そして、ブラームス、メンデルスゾーン、プロコ…とプロコの2つを除いて全てを聴いていただくことができました。Mr.Kも時間内で全てのものに関して、アドバイスを下さろうと、ぱっぱぱっぱとレッスンを進めて行ってくださいました。約1時間45分くらい続いたところで、もう時間だから、とレッスンが終了しました。
Mr.Kはこれまで何年もオーケストラ奏者として活躍されていて、このオーケストラにいらっしゃる前はアメリカでもトップのS響のコンサートマスターのポジションにいらした方です。レッスンでもこれはこう弾くんだ、とパパッと弾いて見せて、聞かせてくださいました。私はそのたびに、へ〜!!お〜!という驚嘆とともに、Inspireされるのを楽しんでいました。Mr.Kは「音楽を弾きなさい、音楽を(=かかれている音ではなくて)」と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。
本当はレッスンを録音したかったのですが、Mr.Kに了承を得られなかったので、残念ながらできませんでした。なので、帰りにはアイスクリーム屋さんに立ち寄って、今日のレッスンでの注意を忘れないように楽譜に書き込んでいく作業をしました。オーケストラのリハーサルにしっかりと遅れましたが、私にとっては大切な時間でした。
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