paranoia kiss
    

空は明るいのに、雨が降る日。
昨日とうってかわって不味いコーヒーを飲む。

---
3年ぶりに、誰にも気を遣わず一人の時間。
お金と引き換えに。
ここ1年は特に酷かった。
留まることを許されずに突っ走ってきた感がある。

脳と体の緊張が解き放たれる感覚。

いつもの店の指定席だった場所に座る。
本を片手に。
時折、店内を見回してみたり。
何も変わっていない。
確実に変わってしまったのは、この僕。

---
爪の手入れをし、調子の悪かったコンタクトを変える。
7時間もある。と思っていたけれど、
たった7時間?というようなスピードで、
一人の時間に終止符を打つ。

---
初めての場所。
昔は古いビルだったのに、
ブランドが入るテナントになっている。

よく仕事さぼったなぁ。
今、同じ仕事をしていたとして、
ここでさぼったらすぐにばれるだろうなぁ。

知り合いに会わないか
冷や冷やしながらそそくさとビルを出た。

---
いつか行けるなら、また行こう。
僕の左手に輝く指輪を探すのは君の役目だ。

どうしても欲しいものがある。

それまでは、何もいらないから。
甘い甘い10年になるように。
また今日から代わり映えのない日々を送ろう。
それが唯一無二の幸せ。

2007年07月04日(水)



なぜだか、彼のことばかり思い出す。
そんなきっかけはないのに。

とても晴れた日、
あいかわらず、消音のテレビと音楽と
なくてはならないお酒。
思い立って、お布団を干した。

ふと気が付くと、彼は取り入れたお布団で、
寝息を立てていた。
あまりに心地よかったから。と照れくさそうに
寝ぼけ眼でほほえんだ顔をよく覚えている。

とりたてて、特別なことがあった日でもないのに。

---
ケンカして左手にあったラブリングを
線路に捨てられた日。
酔っ払った彼は自分のしたことに気づいて、
必死で探してくれた。
それでも、一緒にいたいんだ。と嬉しい反面、
感情が冷めていくのにも気づいていた。

本当に別れることになった日、
やっと自分の本心を伝えた。
本当に結婚したかった。と。

恋人は今から親に会わせる。と言っていたけど、
もう一人の恋人が借金を返済し終えるのを
これ以上待てなかった。
絶対。という確約などないのだから。

後日、部屋の合鍵を郵送した。
電話で、本気で離れていくのか?と聞かれたけど。
本気だから、返したんだよ。

唯一の自慢だった鍵。
すぐにあの恋人に渡したんだろう。

外見が整ってる人がそれから嫌いになった日。
今でも、連絡はあるけれど。

本当の負け犬はどっちなんだろう。

2007年06月30日(土)



My追加
Skin by yukie