paranoia kiss
    

未だ現実として受け止められないでいる。
9つ年下の彼女がこの世を去るなんて。
勇気ある周りの人達の言葉により、
やっとようやくその事実を知る。
この土地で雪が降ることは滅多にない。
そして、星よりも月が好きだと言った彼女を思い出し空を仰ぐ。
今日は、月さえみえない曇り空。

此処ではみることのできないダイヤモンドダスト。
きらきら輝くそれのように文字を紡ぐ彼女が大好きだった。
昔の自分を見ているようで、放っておくことができなかった。

その土地では見ることのできない、嗅ぐことのない
金木犀の画像をすぐに送らなかったことを後悔している。

今年のクリスマスプレゼントを用意したというのに。

声にならない声で叫ぶ。
会ったことがなくても、言葉を交わしたことがなくても
いつだって心配していた。と。

2007年12月14日(金)



イルミネーションの綺麗な季節。

あの人といった神戸の街を忘れることができない。
そして、一人であの人が毎週のように通ってくれた街へ
たった一人で行ってきた。

わんこと走り回った公園。
あの人のライバルと働くことになった空間。

忘年会の席で、酔っ払った勢いで、
みんなに付き合ってることを言ってしまった居酒屋。
エビをうまく剥くことができなかったあの人が、
照れながら、冷やかされながらいた空間。

休日のオフィス街を一人泪をぽろぽろと流しながら歩いた。

分かり合えると、分かり合えてると
傲慢にも自分だけが思っていたことに気づかされた。

あの人と別れたことも
君と知り合ったことも後悔している。
たった一人で生まれて、たった一人で死んでゆく。
たった一人でいればこんなことを考えずに済んだのに。

いつか、後悔するとわかっていながら、
何事もなかったように同じ時間を過ごす。

2007年12月03日(月)



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