あらゆる事物に対して早く結果を出したくなる。
宿命的な性分なんだ。
誰からも何も言われなくたって、自らの手で終わりのベルの紐を引く。
僕は丸い塊を抱え込んでは生きて行けないから
仕方ないと言えば仕方ないけれど、
それによってまた、更なる丸い塊を生み続けるなら意味なんて何もない。

起こさなければ空虚。
起こせばぬかるみ。
いつもの事ながら何処へも辿り着けない。
冷たく鳴り響くその音に耳を塞ぎたいなんて
自分を守るためだけの得意の嘘なんだ。

せめて環境を変えてみたらどうだい？

環境？

そうだよ。環境だよ。
もう少し楽に呼吸の出来る環境に。
今の環境は、思い出すモノが多すぎるとは思わないかい？
リンクしすぎるモノが多すぎるとは思わないかい？

環境を変えるのは悪くないね。
あまり多くを考えすぎないような。

はっきり言ってしまうと…
きみは何処に行ったってあの場所へ辿り着いてしまうんだ。
それはある種宿命的なモノなんだよ。
何処に行っても、静かに、けれど確実に、きみはあの場所へ
引き戻されてしまうんだ。
あの場所から逃れる術は、いまのきみにはない。
本当に可哀想だとは思うけれど…。
だからせめて、環境を変えるんだ。
ひとりにさえならなければ、あの場所について考える事がないような環境に。

ふむ。
僕に選択肢はなく、僕とあの場所とは共存して行くしかない。
そして、僕はあまり多くを考えてはいけない。
努力してみるよ。