■ 先週の日曜日、2年半ぶりに卓球の試合をした。かつてならば当たり前のように体現できた技術が、ブラウン管の中のように遠い存在に思えた。己の斜陽ぶりに落胆するし、試合前日に泊った家でコタツに入ったまま寝たせいで風邪を引くしで良くない。順調だった勉強も、全くやる気が失せた。
■ 建設会社に入社したばかりの新卒が、入社の1週間後に現場監督にさせられることがある。もちろん彼はビルの仕組みを一切知らない。それに、監督としてビル工事現場の職人達に何を指示すれば良いかも知らない。職人から見れば、邪魔なだけだ。この「OJT」を通じて新卒の彼が得るものは何だ。それは「職業に貴賎あり」という勘違いだけのような気がする。現場監督として大成したいのならば、まずは職人として十分な経験が必要だ。「シーザーを理解するためにはシーザーである必要」があり、職人の労苦や至福を肌で実感できてこそ監督として機能できるはずだ。情報システムについても同様で、まずは職人としてどれだけの成果を上げられるかこそが今は問われている。ビジネスマンになる前に、技術者になろう。そう思った。口だけ達者なビジネスマンになるくらいなら、家に引きこもった方が他人に迷惑をかけないだけましだ。
■ 昨日で28歳になった。プレゼントとして父に現金を貰った。翌日の今日、特別な感慨も無くそのお金でCDと本を買った。本は、芦部信喜の「憲法」。自衛隊のイラク派遣によって、憲法はどれだけその解釈を伸縮したのか。それを追究するためには9条に関する従来の解釈を理解しなければならない。そして、9条に限らず、今日の憲法をある程度理解しておかないと、日本に幻滅する権利を保有できない気がする。感覚だけではなく、原理的・本質的にこの国に幻滅したい。
■ Yシャツ1枚とネクタイ1本を買ったら、財布の中が誕生日前日にタイムスリップ。
■ 古谷実の「ヒミズ」を読んでみる。ここまで暗いトーンが続く漫画は珍しい。
「一瞬 そんな"普通"な未来を 本気で手に入れられるかも知れないと思った」
の部分を読んだら涙が出そうになった。忌避してきた「普通」こそ、実は僕が最も希求していたのだと気付かされた。まずはちゃんと風邪を治して、体調を「普通」に戻そうと思う。 // |