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2005年02月01日(火)
手遅れなこと
 遅刻した翌朝は、さすがに早く目覚めた。仕事がだいぶ落ち着き、気持ちが安寧を取り戻しつつある。寮の管理を担当している部署に「引越しの費用って出してもらえるのでしょうか」と素直に問い合わせてみたら、それは出来ないと回答された。そこで、規程によれば退寮要件を満たしていない旨を伝えた。担当者はすかさず「そもそも君は通える範囲の場所に自宅があるから、本当は寮には入れなかったんだ。」と返した。僕はこの言葉に返す台詞も用意していたけれど、相手は人事権のある部署なので紛争を起こすわけにいかず、口を閉じた。そして、この時点で引越し費用を求める交渉は無理と思い断念した。ただ、寮規程には規程としての矛盾のみならず、男女雇用機会均等法に反した記述もあったので改正を依頼した。


 その3時間後、寮の担当部署から内線がかかってきた。寮を出なくてもいいという。新入社員が一人入寮を取り止めたからだそうだ。しかし、もう遅い。3月中旬で退寮するよう命じられた場合、部屋探しの市場がピークに達する入学入社シーズンを恐れて、早めに引越し先を探すのが自然だろう。僕は10日後に転居する予定を組んで部屋の賃貸借契約日を決めていたし、運送業者とも契約が成立していた。これらの契約を全てキャンセルして家賃の安い寮に固執する熱意はもうない。昔付き合っていた人に「もう一度やり直したい」と言われたらこんな気持ちになるのだろうかと思った。


 仕事は9時頃に終わり、部署の先輩2人と珍しく一緒に酒を飲んだ。 //


2005年01月31日(月)
請求権の有無で悩むこと
 昨日は結局深夜3時まで眠れなかった。そして、朝起きたら始業時間を過ぎていた。起きた直後に先輩から電話が来たので謝ったけれど、胸中の罪悪感がそれ程なくて怖かった。徐々に社会性が損なわれている。仕事中は、障害や無駄な作業が人災によって発生し、暗澹たる気持ちが続いた。今は何をしていても空しい。夜10時に今日分の仕事が終わり、帰宅した。引越しに関する今日の作業は、何一つ着手できなかった。インターネットの解約と洗濯機の引き取り交渉は明日に延びた。それと、運送業者に依頼している見積もりはまだ来ない。この調子であと2週間もしないうちに引越しできるのか。不安になってきた。


 帰宅後に寮の利用規程が見つかったので読んでみた。規程によれば、僕は退寮の要件を満たしていない。逆に退寮の要件を満たしている入寮者は数人いて、処遇を不当に感じる。そこで、「もしも寮にあと数年居続けたならば払わずに済むであろう家賃」を僕は会社に請求できるかが問題となる。もしも受け取ることが出来れば、額は少なくとも100万円に達するので実行に移す価値はあるように思う。但し、組織の中でこういった動きをすると評価に影響が及びそうだ。なので迷う。ちなみに、数日前に書いた「引越しの費用」というのは、いずれは寮を出なければならないので請求範囲に含まれない。


 もしも訴訟にまで至れば、ウェブ日記としては面白いだろう。けれど、日常はそれほどドラマチックである必要がない。ただ、寮の管理を担当している部署やその社員が大人しくしている僕を侮っていて、その態度が気に喰わない。 //


2005年01月30日(日)
転寝しすぎること

 新しい部屋には室内外に洗濯機置場がないので、現在使っている洗濯機は処分しなければならない。その洗濯機と併せて処分したい物がいくつかある。リサイクル業者と交渉するはずが、昼の転寝が本格的な睡眠になってしまい、昼は夜になっていた。時間がもったいない。夜になってから、ようやく具体的に引越しのスケジュールを組んだ。一昨年に浦和から社員寮へ引っ越した時と比べると作業量に大きな差はない。ただ、ガスや水道の解約手続きを寮の管理人さんが済ませてくれて助かる。


 Josh Wink「Higher State of Consciousness」が頭から離れない。
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2005年01月26日(水)
新たな部屋を申し込むこと
 今日は月に2日取得できる任意休暇日だった。「石焼いも〜。おいも、おいも〜」という近所の歌声で目覚めた。ご機嫌すぎる。「おいしいおいしいおいもだよ、ほっくりおいしい、あったかおいしい、とにかくおいしいおいもだよ。」とにかくリズミカルなラップ調の歌声は、いつまで経っても終わる気配がなかった。3日ぶりに煙草を吸ったけれど、人生に煙草は特別必要でもない気がしてきた。雰囲気という煙を吸っているだけだからだ。


 午後、新たな住まいとして考えている地域に足を運んでみた。地下鉄の駅を降りて階段を上がると、浅草通りが目の前に広がっていた。夥しく通り過ぎる車や、すぐ向かいで補完・競合する2軒のコンビニエンスストア、上品に灯る赤提灯の居酒屋。ここは想像よりもずっと都会だった。


 駅から歩いて3分ほどの位置にある地元の不動産屋に入った。席に座り、営業担当の中年男性Tさんに家賃の予算や部屋の条件を伝える。すると、Tさんは「この予算では厳しいですね」とぶつぶつ言いながらファイルに綴じられた物件情報をパラパラと捲り、その中から数件のアパート情報を取り出した。こっちは部屋の中に収納スペースがないし、そっちは部屋に洗濯機置場がないし、もう一つは収納も部屋で洗濯もできるけどとにかく狭い。全体的には、僕の予算でこの近所に広々と住むのが明らかに無理そうだった。しかし、この不動産屋さんで見つからなければ、今後どの店で探しても同じく選択に詰まる気がした。ならばいっそここで決めてしまおう。意志を固め、2軒を下見することにした。


 Tさんが車を運転すること10分、最初の物件に着いた。図面で見た限りでは、この物件には洗濯機置場もベランダもない。それでも実際に部屋に入ってみたら、広い。実家も含め、今まで住んできた部屋の中で最も広い。しかも、図面にはなかったベランダもある。ベランダに出ると、やや右側に夕日が沈みかけている。9階なだけあって眺望が素晴らしい。夏には、隅田川からあげられる花火も見ることもできるという。家賃は少し高いけど、ここに決めた。収納スペースには布団をしまうこともできる。洗濯機置場が無いのは辛いけれど、現在使っている洗濯機は処分して、この物件内にあるコインランドリーを使おう。頭の中では早くも家具等のレイアウトを考えている一方で、身体はもう1軒の物件を見に行った。2軒目は1軒目よりも家賃が1万円ほど安いけれど、異様に狭く感じて逆に割高な印象を受けてしまった。でも良く考えたら、1軒目の物件を内見していなければ、この2軒目かそれに似た部屋に決めていたのだろうと思う。出会いは不思議だ。


 車で不動産屋さんに戻り、最初に内見した物件について、契約書の前段階となる申込書を記入した。契約の際には連帯保証人が必要だ。できることなら身内に頼まず保証機関会社を活用したかったけれど、分譲賃貸である都合上もあって身内がベストだとTさんに言われ、まんまと従う。不動産屋を出てから電車を乗り継いで実家に寄り、父に連帯保証の承諾を得た。明日は自分の住民票をもらいに市役所に寄ってから出社しよう。


 しかし、いくら会社の福利厚生で寮に住ませてもらっているとは言え、2ヶ月以内(実際には3/15までに出るよう1/21に宣告されたので、2ヶ月未満だ)に退去しなければならないのは辛い。期間の定めがない一般の建物賃貸借ならば、契約は借地借家法第27条第1項に基づくだろう。つまり、賃貸人は任意の時に賃借人に対して建物賃貸借契約の解約の申入れをすることができて、この申入れの意思表示が賃借人に到達した日から6ヶ月を経過することによって、契約の賃貸借期間が満了する。借地借家法の一般法である民法617条を見ても、建物の賃貸借が終了するのは、解約申入れから3ヵ月後だ。したがって、正直なところ、こんなに早く寮を出なければならないことが理不尽だとは思う。寮の管理を担当し僕に退寮を告げた人事部門と交渉すれば、引越しの費用をいくらか出してくれるだろうか。なんて、交渉をしても適当にたしなめられて有耶無耶になるのは簡単に想像できる。もしも「安く住ませてやっただけでも感謝しろ」と言われたら、議論を展開させるのが馬鹿馬鹿しくなって、会社のことが少し嫌いになってしまうかもしれない。僕が嫌気を抱くべき対象はあくまで交渉相手一人なのに、会社という組織に対象を抽象化してしまいそうな自分の思考回路を卑怯だと思う。 //


2005年01月25日(火)
題がないこと
 仕事は、パソコンの入替作業が2台、資料作成が2件、パソコンに関する問い合わせの対応が7件。ファイルサーバの容量管理ソフトが不思議な挙動。夜10時で資料が完成し、帰宅した。明日は休暇を取っているので、引越し先として有力視している地域をグルグルと下見したり、不動産屋に寄ってみようと思う。

【本】
 ・町田康「実録・外道の条件」 //


2005年01月24日(月)
大人の定義が分からないこと
 退寮を告げられるまでは、次に住む場所を浦和か三鷹にしようと漠然と思っていた。浦和は以前に何年も住んでいたから落ち着くし、三鷹は足を運ぶ度に開放的な空気を魅力に感じたからだ。けれど、どちらに住んでも通勤時間が今よりも長くなってしまう。現在寮に住んでいて、通勤時間の長さを大きなデメリットに感じている。それなのに、引越しによって更に通勤時間が長くなるのは問題だ。したがって、残念だけれど浦和も三鷹も、今の会社を去ってからの楽しみにしておく。今、有力なのは浅草だ。但し僕にとっては家賃が高い。迷う。


 今日は、死んだ魚のような態度で仕事をしていた。態度ばかりでなく能率も悪く、夜10時20分まで会社に残ったりした。大規模な作業を始める前に必要な資料を作って目検で精査していたら、僕の部署に出張してきた人が「いつまでそれ眺めてんの」とディスプレイを覗き込んできた。僕がこの資料を確認していたのは数十分だけれど、あなたはこの本社に2時間かけてやってきて、事前に資料を確認しておけば30分で終わる打ち合わせに3時間費やして、「疲れた疲れた」と2時間雑談してたじゃないですか。いっその事、そう言えば良かったのかもしれないけれど、そんなことを口にしたら二度と蟹を奢ってもらえないのでやめた。これが大人になるということなのか。いや、大分違う気がする。


 友人の言葉がなかったら、今頃は欲の痰壷とかサンドバックになっていたのだろう。助かった。今の仕事では給料を貰うに値しないし、今の生活では生きる価値が殆どない。それでも、ここから奮い立つことができたらいい。 //


2005年01月23日(日)
引越日記と化すこと
 引っ越すので、プロバイダーを解約しなければならない。現在のプロバイダーが提供するサービスの内、インターネット接続の他にはホームページとblogのスペースを利用している。解約によってこれらのスペースが無くなるので困る。


 blogについては、先んじて昨日解約し、載せていた記述をWeb日記(エンピツ)に移した。「エンピツ」を使い始めてから5年近く経つけれど、今日まで続いてることには、やはり理由があるのだろう。
 ホームページについては、無料サイトへの移行を検討しているけれど、詳細がまだ決まらない。選ぶ基準は、広告掲載の有無や更新のし易さくらいだろうか。次第に、この日記が引越し日記になっていることに今気付いた。


 どこに引っ越すかは、まだほとんど決まっていない。


 家賃は手取りの3分の1程度が標準のようだけれど、給料が安くしかも財形を続けているので、本当に安い住まいしか選べない。けれど、狭い部屋での生活にはいい加減飽きてきたので、同じく寮を出る社員の一人にルームシェアを持ちかける可能性がある。実現したら楽しそうだ。


 携帯電話を浴槽に入れれば幾つかの関係は終わる。けれど、実際に入れたりはしない。ただ、フェイド・アウトした方が良さそうな繋がりは今一つだけある。詰むや詰まざるや。 //


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